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医療分野の法律知識

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第三回  『美容整形での医療事故』

――アンサー法律事務所の所長である永井幸寿先生は、
医療問題以外にもさまざまな分野における案件に携わっておられます。
専門をお持ちの弁護士先生は多いものの、どのような分野においても
総体的に相談可能な強い味方であると言っても過言ではないでしょう。
今後、医療分野に関する事例をご紹介頂きながら、
現在の医療訴訟について分かり易く解説して頂きます。

Profile
1979年 早稲田大学法学部卒業
1987年 司法試験合格
1999年 阪神・淡路まちづくり支援機構事務局長
2002年 兵庫県弁護士会 副会長
2004年 財団法人阪神・淡路大震災記念協会
震災資料の公開等にかかる検討委員会委員
現 在
トアロード法律事務所所長を経て
アンサー法律事務所を設立
日弁連災害復興支援に関する全国協議会
ワーキンググループ座長
日弁連新潟中越地震災害対策本部本部員
関西学院大学災害復興制度研究所
客員研究員
著 書
「震災復興のまちづくりと法」
三省堂(共著)
「大震災10年と災害列島」
クリエイツかもがわ(共著)
神戸検証シリーズ「別冊法律編」
「法律って何だ 考えたぞう」
「法律編」研修委員会(共著)
「誰でもわかる債権の保全と回収の手引き」
新日本法規出版(共著)
「こんなときどうする 会社の法務Q&A」
第一法規出版(共著)
「こんなときどうする 会社役員の法務Q&A」
第一法規出版(共著)
「好意同乗に関する判例の研究」
交通春秋社(共著)
論文掲載紙
「自由と正義」
日本弁護士連合会
「全国まちづくり専門家フォーラム」
阪神・淡路まちづくり支援機構
「こんなときどうする 会社役員の法務Q&A」
阪神・淡路まちづくり支援機構
「ビジネス実務法務」
中央経済社
「交通事故判例速報」
交通春秋社

最近美容整形についての関心が高まり、 受診する人も以前より増加していると言われています。 美容整形は、法令上の名称ではありません。 医療法施行令では「美容外科」が広告できる診療科名であり「美容整形」は
俗称といえます。

そもそも美容整形は「医療行為」といえるのかが問題とされたことがあります。 なぜなら、普通の医療行為のように病気や傷害を治すという治療を目的とする行為ではないからです。 しかし、治療行為ではなくても、医学的な方法で行われ、 医師の専門知識や技能を用いないと身体・生命に危険を生じるおそれのある行為は、 医療行為と考えられるようになり(例えば移植臓器の摘出)、 現在は美容整形も
医療行為に含まれています。

元々医療行為は、人に対して投薬や手術などの「加害行為」を行う面がありますが、 これが社会的に認められているのは「治療行為」であるという理由によります。 しかし、美容整形は治療行為ではないので、これが認められる理由は患者が同意したことが理由になります。 従って、美容整形では患者が医療行為について充分な説明を受け、 これを理解して納得し了承することが必要になります。つまり、 美容整形では医師の説明義務が、 他の診療科目に比べて大変厳しく課されています。

 例えば、レーザー治療によって額と頬のシミを除去しようとした患者が シミが除去できずかえって色素が沈着した事例について、 裁判所は医師が「レザー治療で1回で綺麗になり、 副作用の危険性もほとんどない」と説明して、 レーザー治療の危険性を全くと言って良いほど説明しなかったことから、 医師に説明義務違反があるとして損害賠償責任を認めました。 又この件では医師と患者の診療契約は、患者がレーザー治療で治り、副作用の危険もないと 誤信して締結したものなので、錯誤によって無効であり患者は治療費を払う必要もないと判断しました。 又豊胸術を3回行って、その都度すぐに皮膜拘縮が発生して、 再手術をしても改善が期待できない状況にあった事例では、4回目の手術前に、 医師は手術の概要や通常予想される合併症・危険性とともに,手術を実施しても効果が期待できず、 危険性も非常に高いことを説明すべき義務があったのにこれに違反したとして 損害賠償責任を認めています。

但し,二重まぶたの手術の事例で, 二重まぶたの非対称やはんこんが発生したとの患者の主張について 「一般人が社会生活上気に留めるような二重まぶたの非対称やはんこんは認められない」 として医師の過失を認めなかった裁判例もあります。 裁判所は,美容整形について他の診療科目より説明義務を厳しく課していますが, 医師の過失を判断する場合は,特に高度な医療水準を要求しているわけではなく, 要求される医療水準は他の診療科目と同じです。

── 永井弁護士へのお問い合わせについては、SPD事務局へどうぞ。
担当案件の状況もございますので、追って事務局よりご連絡させて頂きます。

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