会社の上司が「自分に甘く、他人に厳しい」そんな人が上司になるとストレスが溜まる一方ですね。医療の世界ですとそんな医師ですと周りの看護師は大変です。自分の事は棚に上げて揚げ足ばかり取る上司って自分の失敗も他人のせいにします。そんな人ほどいい加減な仕事をしたり、遅刻をしたり、約束を忘れたりと周りに迷惑をかけます。
他人に厳しい人の特徴ですが他人の欠点やネガティブ部分ばかりに目が行きます。特に自分より優れた人間に対して粗探しをするという特徴があります。他人に厳しい人は頑固です。臨機応変という事ができません。自分の中で勝手に決めたルールからはみ出した人間を攻撃します。一方でその人のルールは自分では平気でルールを逸脱します。それに気づかないというのが厄介です。
要は自己中心という事です。自分の都合が最優先で相手の事は考えません。自己中心ですので他人を厳しく怒る事でコントロールしようとします。もしくは他人を働かせる事で自分が楽をしたいという人もいます。会社の中間管理職とかチェーン店の店長とか、老人ホームの施設長とかこういうタイプが多いです。特にチェーン店では出店スピードに社員教育が追い付かず、本来であれば店長とか施設長とかには向かない人間に対しても管理職にしなければいけないというような理由もあるようです。このような所では現場の職務内容やコンプライアンスなども判らず管理職に任命され、現場から総すかんを浴びる事もあります。
自分に甘く他人に厳しい人って、基本的に短気で高圧的、怖いというイメージです。自分の思うように周りが動かなければ理不尽にキレ出します。少しのミスでも許すことが出来ません。立場的に注意する立場であってもキレ出すと止まりません。周囲からは怖くて近寄って来る人が減ってきます。もちろんそんな上司では現場からの風通しは悪く情報が入らくなります。現場はミスを犯した時に隠ぺいするようになり、発覚した時には取り返しがつかない程、大事になってしまう事もあります。
一方ですが「他人に厳しく 自分にも厳しい」という方は完璧主義者で理想が高い人でしょうが、こういう方は自衛隊や警察の中間管理者が向いているかもしれません。病院などの院長などもこのタイプが向いていると思います。「他人には甘く、自分には厳しい」こんな方はどうでしょう。自分だけは数字を出しますが、周囲の人は結果を出せないという事になります。こういう方は組織のリーダーには向かないかもしれません。
最後に「他人にも甘く自分にも甘い」こんな人はどうなのでしょうか。単にいい加減な人という事になります。優しいという評価はあるものの現場ではなめられます。組織内であれば最も成果を出せず評価を出せないという人物になります。
さて「自分に甘く、他人に厳しい」に戻りますが自分は特別である。自分は一番優れていると思っているようです。その為、周囲の人を見下しています。常に自分は正しいと思っています。その為にミスを犯しても問題を客観視する事が出来ず周囲の声や批判を聞き入れようとはしません。だからこそ医師の中にはこのような方が生まれ易いという環境があります。
医師は特別扱いをされやすい為に勘違いをしてしまう方が多いという事になります。言っておきますが、そんな方ばかりでは有りませんよ。腰が低く、周囲の意見を良く聞いて、人望の厚い医師も沢山います。当然ですがこのような医師はスタッフからだけでは無く、患者からも評価が高いです。この落差が激しいので余計に「他人に厳しく、自分に甘い」医師は・・・
さて、自分も気を付けるようにいたします。
【執筆者のご紹介】
中村 哲生（なかむら てつお）
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。
