私も年を取るにつれて執着心が少なくなってくるような気がしています。執着心が無くなる瞬間とは変化を受け入れる事でもあるようです。私も還暦を過ぎ嫌が応にも変化というものが現れてきます。本人よりもむしろ社会から変化を命じられているような気がします。
人には色々な状況で執着心が無くなるタイミングが訪れます。年齢は関係なく若い時でもそんなタイミングは有る事でしょう。どんな時に執着が無くなるのか考えてみたいと思います。
仕事においては、これまでのやり方を固執せずにより良い未来の為に「もうやめよう」という決断をする事もあります。これは損切の考え方です。株式投資をしている方は」良く言っているかもしれません。例えば転職のタイミングは如何でしょうか?他人の評価や見返りを求める事無く自分の生き方を見直すチャンスです。こんな時に前の職場に執着をしていると、幸せな生き方を見つけなおす事が出来なくなります。執着を捨てる事で過去の出来事から解放する事が出来ます。執着を無くす事で自分の生き方や価値観を見つける事が出来たりもします。
私自身何度もそのタイミングがありました。執着が無くなると心が軽くなります。それでは逆に執着心についても書いてみようかと思います。上記の逆の事ではあるのですが、執着心とは自己肯定感の表れです。
①承認欲求からの執着心
認められたい、愛されたいという欲求が執着心になります。
②損得勘定の執着心
相手に対して見返りを求める執着心です。これだけの事をしたのに、こんなに愛しているのに、こんなに貢いだのに、自分の貢献の割に評価が低いという心理だそうです。
③不安や恐れの執着心
仕事や人脈、収入、恋人などを失う事への不安による執着心です。将来に対する防衛本能でもあります。この漠然とした不安が執着につながります。
④自己否定の執着心
自分に自信の無い人は会社の名刺がとても大事だという人がいます。虎の威を借りるタイプです。大きな有名な会社に勤める人ほどこの会社の名前に執着します。また奥さんを含む家族も有名な病院や会社の部長というアイデンティティーが最重要である人もいます。世間体を気にする人は執着が強いです。
⑤過去の栄光への執着心
タイトル通りですが過去の栄光が大き過ぎて新しい事へのチャレンジが怖いタイプです。その場からなかなか動く事ができず、更なる進化が出来ない状況の人は過去への執着が強い人です。
さて、それではこのような執着心のある人はどのような行動になるのでしょうか?
①相手の行動をコントロールしたくなります。
相手の言動が気になって常にその事ばかりを考えてしまいます。相手を監視したくなります。ストーカー気質の人はこのタイプでしょう。この思考が強い人がストーカーによる犯罪行動にでるのでしょうか。ちょっと脱線しますが、昔ポリスというイギリスのロックグループが有りましたが確か「見つめていたい」という曲はそんな内容だったそうです。愛する人の気持ちを歌った曲でヒットしていますが、作った本人は今で言うストーカーのような曲でこんなにヒットするとは思っていなかったそうです。
② ①とは全く反対の行動も有ります。
「失いたく無い」という心理から常に自分を犠牲にするという行動もあります。失いたく無いという気持ちが強すぎて自己犠牲が強すぎる人です。本当はしたくないのに、嫌われたく無い、自分を評価されたいという気持ちから周囲からはやらない方が良いのにと思われているにも関わらず、やってしまう人です。こういう人は上司からの無茶ぶりを受け入れるタイプですが、知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれる事もあります。しかもその責任だけを押し付けられ人生を棒にふる人もいます。半沢直樹のドラマの中の銀行員の方、こんな人が沢山出ていましたね。
③完璧主義と言われると人も執着心の表れです。
どういう事かと言うと完璧主義という方は極端に他者からの評価に敏感な人です。他者からの評価が低いという事が許せないのです。実際他者から良い評価を受ければ承認欲求は満たされます。この気持ちが強すぎる人は過度なストレスが有ります。100点以外は0点と同じだという考え方です。99点ではもう不合格なのです。80点を合格にできる人は気持ちを楽に生きていけます。職場においては80点ではダメという職場も多い事でしょう。このストレスの中で長年生活していきますので、心が弱って行く人も多いのでしょうね。
このように殆どの人は何等かに縛られて生活しています。そして執着心はある意味必要な事かもしれません。
自分を幸せにしてくれるのは外部の人だという思いの強い人は執着心が強くなってしまいます。自分を幸せにできるのは自分自身です。流されず客観的に生きるというのはなかなか難しいものです。そして執着心から解き放たれると心が凄く軽くなります。宗教的にはこういう心理を解脱というのでしょうか。煩悩から解き放たれたという事なのでしょうかね。
それでは今回も謎かけで終わりに致します。
執着心の強い人とかけまして
生でも食べられるお肉とときます その心は 焼きすぎ注意です!!

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加