株式会社東京商工リサーチ(東京都千代田区)は6月12日、「TSRインサイト」として、2026年1〜5月「デイサービス事業者」倒産動向を公表した。負債1000万円以上の倒産件数は27件(前年同期16件)となり、前年同期比68・7%増加した。介護保険制度が始まった2000年に調査を開始して以来、上半期(1〜6月)の過去最多件数だった24年と25年の25件を、6月の1カ月を残して上回った。
原因別では、売上不振(販売不振)が18件で全体の66・6%を占めた。さらに、赤字累積による「既往のシワ寄せ」が5件あり、業績不振関連が全体の8割超に達した。厚生労働省の統計では事業所数は緩やかな減少傾向にあり、淘汰や業態変更などを迫られているという。機能訓練や重度化防止など特色あるサービスを打ち出す施設が増えており、利用者確保に向けた差別化が一層求められている。
倒産件数27件のうち、人手不足を要因とする倒産は8件で、前年同期の1件から急増した。8件の内訳は人件費高騰が5件、後継者難が2件、求人難が1件だった。
介護業界では慢性的な人材不足が続いており、賃金水準の高い他業種との人材獲得競争も厳しさを増している。
東京商工リサーチによると、「大手や多様なサービスを提供する大型施設との競争が続くなか、中東問題が長引くとさらに物価高を招きかねず、倒産が増勢をたどることが危惧される」としている。