良く聞く「虎の尾を踏む」なんて言葉があります。みなさん今更、そんなの知ってるよって言われちゃうかもしれませんが、一応、言葉の意味をおさらいしておきましょうね。「虎の尾を踏む」とはとても危険な状況に自ら飛び込むという意味です。恐ろしい相手にうっかりと立ち向かってしまい大きな災いを呼び込んでしまうという事です。
これに類似した言葉は沢山あります。「危ない橋を渡る」「逆鱗に触れる」「竜のひげを撫でる」「薄氷を踏む」などが有りますがいずれの場合でも自分の責任で危険を冒すという意味合いです。この言葉日本や中国のことわざかと思いきや英語にも全く同じ言葉が有ります。「Tread on a tiger’s tail by criticizing the boss.」という英語の慣用句があります。「上司の批判をする事は虎の尾を踏むことだ」という事だそうです。あらビックリ本当に全く同じ使われ方をするのですね。
やはり何か行動を起こす時や、相手を指摘するような時は冷静に考えてから発言した方が良いですね。何気ない言葉や行動がとんでも無い事件に巻き込まれてしまう事もあるでしょう。
上司と部下の関係において起こりやすい事かもしれませんが、医療においては個別指導等というものもこういう状況に陥る事があるかもしれないです。厚生局による集団的個別指導というものがランダムでありますが、私も過去色々な医療機関の個別指導に立ち会いました。
時折、遠くの方で指導官と監査を受ける何処やの院長先生が怒鳴り合いの喧嘩のような光景を繰り広げている場面に遭遇した事が有りました。監査が終わっても納得のいかない先生が大声でまだ怒鳴っていました。感情的になる事は一番やってはいけない事です。後から通知が来て納得が出来ないのであればきちんと白本や公文書などによる、客観的な根拠に基づくものを示して意義申し立てをする事が適切かもしれません。
個別指導というのは指導であって、不正を疑っている訳ではありません。もしかすると不正を暴かれてしまったから怒鳴っているのかもしれませんが・・・いずれにしても感情的になるのは最も避けたい事項です。
しかし虎を使った慣用句って沢山ありますね。
折角の機会ですので紹介しておきましょう。
① 虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず)
② 虎の威を借るきつね(とらのいをかるきつね)
③ 虎視眈々(こしたんたん)
④ 門前の虎、後ろ門の狼(もんぜんのとら、こうもんのおおかみ)
⑤ 虎の巻(とらのまき)
⑥ 虎の翼(とらのつばさ)
⑦ 騎虎の勢い(きこのいきおい)
⑧ 虎は死して皮を留め、人は死して名を残す(とらはししてかわをとどめひとはししてなをのこす)
⑨ 雲は竜に従い風は虎に従う(くもはりゅうにしたがい かぜはとらにしたがう)
⑩ 虎を養いて患いを遺す(とらをやしないてうれいをのこす)
いかがでしょう、全部知っていましたか?それぞれの意味は自分で調べて下さいね。
虎という慣用句海外の物まで入れますとまだまだ沢山あるようです。
それでは何故虎というのはこのように色々な慣用句に使われるのでしょうか?
虎は「強さ」、「権力」、「魔除け」「生命力」「金運」「威嚇」「行動力」の象徴とされています。一方で「愛情深い」「恐ろしい」という2面制があるとされています。
さて本日もまたなぞかけで〆たいと思います。
「虎の尾を踏む」とかけまして
不戦勝ときます
そのこころは
そこに危険(棄権)がありました。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加