今年1月のコラムで「逆恨みしてやめる職員」について書きました。
逆恨みする人の心理的特徴に、心の弱さが挙げられます。 逆恨みする人は、自分の失敗やミスによって起こるピンチなどを受け止める事が出来ません。 誰かのせいにすることで、心の負担を軽くします。 本当は、自分の力量不足が原因だったりするのですが、それを認めるには、真実をしっかりと受けとめる心の強さが必要です。 それは時と場合によっては、とても苦しいことです。 しかし、逆恨みする人は、心が弱いので、そういうことにしっかりと向き合うことができずに、逆恨みをしてしまうのです。
逆恨みする人の心理特徴に、自分の事が好きというものがあります。 逆恨みする人は自分が大好きで、自分の事を傷つけたり、批判する人を逆恨みしてしまいます。とはいえ自分に刃が向かうのは困ります。逆恨みされてしまう事には大きく分けると2つパターンがあるようです。
① こちらが恨んでしまうような人物から逆に恨まれてしまうというケースです。
普段嫌がらせを受けたり、悪口、陰口を言われたりしたとします。
こんなケースの人が悩んで周りの人に相談したりします。大抵の人は「かかわるのをやめよう」「気にしない方が良い」などとアドバイスをするでしょう。
そのアドバイスの通り関わらないようにすると「あいつは私を無視している」という逆恨みになります。または周囲に相談したことが判ってしまうと「みんなに私の悪口を言っている」という感情になります。この時点で恨みの量は倍になるようです。
② もう一つは親切が仇となるケースです。
良かれと思ってアドバイスなどすると、「大きなおせっかい」「上から目線」「おまえは何様」「偉そうに」などと逆切れされてしまうというものです。これはもしかするとどっちもどっちという事かもしれません。
相手がどのように受け止めるかで変わります。またアドバイスをした人の話し方に原因があることも多いです。特にアドバイスしているつもりでも、見下したような話し方をする人もいます。
①の方は自分では治しようがない、交通事故のようなものだったりもしますが、職場においては②のケースが多く自分の話し方やコミュニケーション能力にむしろ問題がある事の方が多く、ちょっとした油断から人間関係が壊れることが多々見受けられます。
職場においては逆恨みではなく八つ当たりというケースも存在します。家庭のイライラ、職場の上司に叱られた、患者さんからクレームを言われたという事において関係ない人に八つ当たりをする事で自分のストレスを解消する人物がいます。八つ当たりされた方はたまったものではありません。また八つ当たりとは言わないまでも、黙っているだけで周囲からイライラしている様子がわかる人は一見してお近づきにはなりたくない存在です。
特に医師の中にそういった気難しい人が居たりしますが、看護師からは私のところへ「あの先生の担当なら、私には危険手当を出して欲しい」などと言ってくる看護師がいます。この看護師うまいことを言います。ほんと危険手当を付けてあげたいくらい。
いずれにいしましても理不尽であることは間違いありません。そして解決方法が無いのも事実です。最近はパワハラ、モラハラという事で少しずつ減っては来ています。昭和の時代はこんな事は当たり前だったと思います。そしてこういう理不尽な方々は生きづらい世の中にはなってきました。一方でお腹の中でマグマのように沸沸と恨みを貯めている人もいます。
お互いに巻き込まれないよう発言には気を付けましょうね~。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。