厚生労働省は7月9日、医師の働き方改革に関する検討会(座長:岩村正彦東京大学大学院法学政治学研究科教授)の議論を再開した。この日の会合では、厚労省が2月に公表した労働時間短縮のための「緊急的な取り組み」の実施状況や、病院勤務医のタイムスタディ調査の報告が行われたほか、日本医師会から「医師の働き方改革に関する意見書」が提出された。
同意見書は、医師の働き方について医療界として主体的かつ具体的に検討し合意形成を図ることを目的に、日本医師会が設置した「医師の働き方検討会議」で議論、取りまとめられたものである。同意見書に先立って公表されている日医の「医師の働き方検討委員会」答申では、医師の働き方改革について、「『地域医療の継続性』と『医師の健康への配慮』の両立」が重要であると指摘。これを踏まえ同意見書では、▽医師と医療の特殊性、▽医師の健康確保対策、▽医師の自己研鑽、▽医師の宿日直、院外オンコール待機、▽長時間労働是正のための仕組み、▽医師における専門業務型裁量労働制、▽研修医等について──など13項目が示された。
たとえば、医師の宿日直*1に関しては、通常業務がほとんどない「許可を受けた宿日直」(断続的・監視労働で労働時間の適用除外)*2と、「通常業務と同じ宿日直」*3だけではなく、「通常より少ない」宿日直が、全体の約半分を占めている実態が明らかになった(図)。こうした結果を踏まえ、断続的・監視的労働でも通常労働でもない、「中間的な働き方」に対応する制度構築が必要だとした。
しかし、中間的な働き方となる宿日直においても、救急対応や患者の急変など、入院患者の状態や救急患者数などで日々大きく変動し、医療機関によって現場の状況はさまざまである。そのため、厳密な労働時間管理ではなく、患者対応を優先できる制度とするべきとしている。
また、1949年通知の現行の宿日直許可基準 (労働時間適用除外)に関する通達について、今日では看護師には適合しているが、医師の業務には適合していないため、内容の見直しを図る必要があると指摘している。
同検討会では今後、3月の取りまとめを目指し、引き続き議論が進められる予定だ。
*1 同意見書では、医療法と労働基準法施行規則で意味合いが異なるため、「宿日直」を「夜間休日に何らかの業務のために病院に滞在すること。宿直(夜間にわたり宿泊を擁する者)と日直(その時間帯が主として昼間であるもの)の総称」としている。
*2 「宿日直」のなかで監視的・断続的労働とされ、労働基準法大41条第3号の許可を受け、労働時間の適用除外とされたもの。
*3 「宿日直」のなかで、業務内容が通常と同様であるもの(夜勤も含まれる)。