国立国際医療研究センターのAMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)では、一般の10~60代の男女721人を対象に、「抗菌薬意識調査2018」を実施した。
まず、抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがあるかという質問に対し、66・7%が「ある」、27・5%が「あるが詳しくはわからない」と回答した。
しかし、抗菌薬・抗生物質がどのような疾患に有用かについて聞いたところ、「かぜ」(49・9%)、「インフルエンザ」(49・2%)、「膀胱炎」( 26 ・7%)、「肺炎」(25・8%)、「ノロウィルス」(23・3%)と、実際に抗菌薬・抗生物質が必要な膀胱炎と肺炎は約3割にとどまった。さらに、2人に1人がかぜやインフルエンザに抗菌薬などが効くと誤って認識していることが明らかになった。
また、かぜで受診した際に自ら抗菌薬の処方を求める人の割合は、30・1%に上った。5種類の抗菌薬と7種類の抗菌薬以外の薬剤から抗菌薬はどれか聞いたところ、上位5位のうち1位、3位、5位に抗菌薬以外の薬剤が選ばれたことから、抗菌薬とそれ以外の薬剤の判別がついていない人も少なくないことがわかった。
今回の調査で、いまだに抗菌薬・抗生物質がかぜやインフルエンザに効くと誤解し、処方を求める人が少なくないことが判明した。抗菌薬の不適切使用は薬剤耐性菌(AMR)を助長し、未来のリスクにつながる。そして、こうした患者と対面する機会が多いのは、かかりつけ医だろう。抗菌薬とAMRの正しい理解の促進に向け、診療所側からも取り組みたいところだ。