一般社団法人これからの福祉と医療を実践する会は2月22日、第442回例会「外国人技能実習生受け入れの取り組みと今後……優秀な人材を採用するために」を東京都内で開催した。講師は、医療法人社団永生会の中村哲生特別顧問が務めた。
同法人では、以前からEPAや外国人技能実習制度などの制度を利用して、ベトナム、フィリピン、インドネシア、中国など、東南アジアを中心に外国人人材を受け入れてきた。その経験をもとに、4月から開始する介護の特定技能1号が始まることもあり、今後医療
機関や介護事業所が優秀な外国人人材を受け入れ、採用していくうえでのポイントを、解説した。
はじめに中村氏は、現在外国人が介護人材として来日する方法として、EPA、留学、外国人技能実習制度、そして今後は特定技能1号という4つのルートを紹介。現場では外国人人材に対する期待感が大きいが、中村氏は、「即戦力がやって来ると考えてはいけない」と強調した。
「こうした制度で来日するのは、学校を卒業したばかりの、いわば社会人1年目の人たちだ。さらに彼らは、仕事のことだけではなく、初めて訪れた日本という外国での生活に、さまざまな不安を感じている。受け入れる側としては、こうした仕事以外の生活の部分についても支え、新人を大切に育てていくという意識が大切だ」と、話した。
来日後の生活面のサポートについては、技能実習責任者や技能実習指導員という現場の担当者以上に、生活指導員によるフォローが重要だと指摘した。
■人材の質を見極めるため現地での面接が重要■
さらに、送り出す側の問題についても言及。たとえば、介護の外国人技能実習生の場合、来日初年度に日本語能力検定N4以上が必須だ。そのため、来日前にすでに優秀な人材は常に引く手あまたの争奪戦である。
だが、人材の質は、現地の送り出し機関の質にも左右されるという。送り出し機関の質を担保するためには、その具体的な対応などの確認をすることはもちろん、受け入れ側の法人も、最低一度は職員などが直接現地に赴いて面接の機会を設けることが必須だとした。
同法人の場合も、必ず中村氏をはじめとする担当者や、経営層複数人で現地に赴いて、事前に作成した評価表をもとに自ら外国人人材の面接・選定に取り組んでいるという。
「面接で気をつけたいのは、定型の質問ではなく内容を工夫して聞くこと。彼らは日本語学校などで面接の際の模範解答を練習している。よくある質問では、本当の日本語能力やポテンシャルは判断できない。また、彼らの本音や不安を引き出すため、フランクな食事の席を設けることもある」と、中村氏は紹介した。
同法人では、すでに4月からの特定技能1号による外国人採用に向けた準備を進めており、初年度で受け入れのスキームを確立し、その経験を他国でも随時展開していくという。