医療行政最前線7/31号中央社会保険医療協議会 医療におけるICTの利活用について議論

株式会社日本医療企画

2019-07-31

 中央社会保険医療協議会総会は6月12日、「医療におけるICTの利活用」をテーマに、「遠隔診療」「情報共有・連携」について議論した。

 はじめに、「遠隔診療」では、主にオンライン診療における今後の診療報酬上の対応について議論した。2018年度診療報酬改定で新設された「オンライン診療料」等は、「診療は、医師または歯科医師と患者が直接対面して行われるのが基本である」「対面診療の補完である」などを前提としている。

 厚生労働省は、「2018年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」における、オンライン診療に対する考え方についての調査結果を提示。①オンライン診療の届出あり、②①のうちオンライン診療の実績あり、③オンライン診療の届出なし──のそれぞれにおける、「オンライン診療は対面診療の補完的なものとして行うべきだ」という回答では、①、③と比べて②で割合が低かった。一方で、「オンライン診療に適した状態の患者は少ない」「オンライン診療に対する患者のニーズは少ない」などの質問に対しては、②のほうが「そう思う」と回答する人の割合が高かった。ただ、同調査では③(n=429)に比べて①(n=77)、②(n=12)の母数が少ないこともあり、今後さらなる検証が必要であるともしている。

 そのうえで厚労省では、オンライン診療の評価について、「対面診療を補完するもの」という前提は維持したまま、普及状況などの検証結果等を踏まえて、今後の診療報酬上の対応を考えてはどうかとした。
 さらに、都市部や地方、離島・へき地など、さまざまな地域におけるオンライン診療の活用事例や実証研究等も紹介し、「離島・へき地等の医療資源の少ない地域における利活用」と、「それ以外の利活用」を分けて、診療報酬上の対応を検討するために必要な整理を行う案と示した。
 また、遠隔画像診断、遠隔モニタリングなど、オンライン診療以外も含めた遠隔診療全般については、個別の領域の利活用に関して、学会からの提案など、医療の質にかかわるエビデンス等を踏まえて今後評価を検討するとした。

 続いて、「情報共有・連携」に関する議論では、ICTを活用した情報共有・連携システムの例を紹介したうえで、「2018年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」における、別の医療機関との情報共有・連携のためのICTの活用状況の調査結果を提示した。

 病院では、外部との情報共有・連携にICTを活用している割合は全体で約3割にとどまった。病床規模別で見ると、病床規模が大きい医療機関ほど割合が高くなっているという。ただ、主に使用しているICTのツールについては、「メール」が全体の7割と最も多く、次いで多い「電子掲示板」は2割程度だ。
 一方、在宅医療におけるICTの活用状況は、単独型の機能強化型在宅療養支援診療所・病院で約3割、連携型で約4割、それ以外の診療所・病院の約2割がICTを活用していると回答。しかし、使用しているICTの種類については、病院同様「メール」が最も多かった。
 なお、訪問看護ステーションへの調査結果では、「記録の電子化」などの内部での活用の割合は高いものの、「サービス担当者会議をオンラインで実施」などの外部との情報共有・連携での活用割合は低かった。

 これらの状況を踏まえたうえで、情報共有・連携におけるICTの利活用は、柔軟な働き方や業務の効率化にも資するものであるとして、適切な活用を妨げないよう、必要な対応を検討してはどうかと、今後の論点を示した。
 医療情報の標準化や、地域医療情報連携ネットワークなどの議題については、7月以降の中医協で議論を予定しているという。

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