日本老年医学会は8月4日、「認知症患者に対するCOVID-19の影響調査の報告」を発表した。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大下における認知症の人の実態やニーズ、それに対する取り組みを明らかにすることを目的としている。
調査対象は、全国の高齢者医療・介護施設、介護支援専門員(全国751人)である。なお、対象となった介護支援専門員については、4月7日に緊急事態宣言を発令した7都道府県からが全体の20%を占め、6月18日から7月10日にかけて地域の偏りなく実施されたとしている。
調査によると、心身への悪影響については、軽度・中等度の認知症患者で「認知機能の低下」が53.8%、「ADL低下」が43.7%、「行動心理症状が出現・悪化」は30.8%に上った。また、重度の認知症患者では、「認知機能の低下」が67.3%、「ADL低下」が57.4%、「行動心理症状が出現・悪化」は41.4%となり、いずれの場合も重度の認知症患者のほうがより重篤な影響を受けていることがわかった。
また、介護サービスの利用状況について聞いたところ、変化があったのは78.7%だった。そのうち、日常生活における具体的な変化に関しては、「他の方との触れ合う時間が減った」(78.7%)が最も多く、次いで「身体を動かす時間が減った」(77.5%)、「入浴や清拭ができなくなった、あるいは回数が減った」(30.8%)などが多かった。なお、家族の介護状況について、「利用状況に変化あり」と回答した人によると、72.6%が「家族が介護を行った」と回答している。