医療行政最前線1/26号政府 全世代型社会保障検討会議
後期高齢者の窓口負担割合課税所得28万円以上は2割に拡大へ

株式会社日本医療企画

2021-01-25

 政府は12月14日、「全世代型社会保障検討会議」を開き、「全世代型社会保障改革の方針(案)」の最終報告を取りまとめた。
医療に関しては、①医療提供体制の改革、②後期高齢者の自己負担のあり方、③大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大──の3つが盛り込まれている。

① 医療提供体制の改革
 2019年12月に第一次中間報告の取りまとめがあったが、新型コロナウイルス感染症の対応を踏まえ有事に必要な対策が機動的に講じられるように、都道府県の医療計画に新興感染症等への対応を位置づけるとした。
地域医療構想においては、中長期の医療需要の変化を見据え、各医療機関の役割分担を継続的に協議する基本的枠組みは維持し、その財政支援等を行う。

 また、外来医療は、大病院の患者の待ち時間や勤務医の外来負担等の問題を踏まえ、かかりつけ医機能の強化および外来機能の明確化・連携を図る。なお、医療資源を多く活用する外来に着目したうえで、医療機関が都道府県に外来機能を報告する制度を創設し、地域の実情に応じて紹介患者の外来を基本とする医療機関を明確化するとした。

② 後期高齢者の自己負担のあり方
 第一次中間報告では、75歳以上の後期高齢者(現役並み所得者を除く)であっても、一定所得以上の層については、医療費の窓口担割合を2割とし、それ以外を1割とするとされていた。
その一方、若い世代の保険料負担の上昇、そのほかの支出負担の増大などの問題も指摘されている。さらに、他の世代と比較し高医療費・低収入になりがちな後期高齢者の生活実態を踏まえつつ、窓口負担割合を見直しにより必要な受診が抑制されることのないようにすることが不可欠であることも強調した。

 そこで、今回の改革ではこれらを総合的に勘案し、「後期高齢者( 75 歳以上。現役並み所得者は除く)であっても課税所得が28万円以上(所得上位30%)および年収200万円以上(単身世帯の場合。複数世帯の場合は、後期高齢者の年収合計が320万円以上)の人に限って、医療費の窓口負担割合を2割とし、それ以外の方は1割とする」旨を明記した。

 なお、施行時期については、準備期間等を考慮し、22年度後半までの間に政令で定めるとしている。また、長期頻回受診患者等への配慮措置として、2割負担への変により影響が大きい外来患者は、施行後3年間1月分の負担増を、最大でも3000円に収まるような措置を導入すると明記している。

③ 大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大
 紹介状なしで外来受診した患者に、定額負担(5000円)を求める医療機関の対象範囲は、これまで特定機能病院および一般病床200床以上の地域医療支援病院だった。

 第一次中間報告では、「大病院と中小病院・診療所の外来における機能分化、かかりつけ医の普及を推進する観点から、まずは、選定療養である現行の他の医療機関からの文書による紹介がない患者の大病院外来初診・再診時の定額負担の仕組みを大幅に拡充する」としていた。そこで、同案では地域の実情に応じて明確化される「紹介患者への外来を基本とする医療機関」のうち一般病床200床以上の病院にも対象範囲を拡大すると明記された。

 また、外来機能の分化の実効性が上がるように、保険給付の範囲から一定額(例:初診の場合2000円程度)を控除し、それと同額以上の定額負担を追加的に求めるよう仕組みを拡充するとした。