日本医師会総合政策研究機構(日医総研)は3月5日、リサーチエッセイ「新型コロナウイルス感染症の診療所経営への影響─2020年9~10月分─」を公表した。日本医師会では20年3月以降継続して新型コロナの感染拡大が診療所経営に与える影響について調査を実施してきた。
今回は、無床診療所465軒、有床診療所84軒の計549診療所が回答。なお、大まかな傾向をつかむため、各回の調査結果のほか、厚生労働省の「最近の医療費の動向」「概算医療費データベース」に基づく全国実績と比較している。総件数(患者実数に相当)および総点数(医療費)については、9月、10月いずれも前年同月の全国実績を下回った。
また、損益計算書では、1施設当たりの医業収入(保険外収入を含む)は、5月を底に9月まで対前年同月比マイナスだったが、10月に初めて0・6ポイント増加に転じた。しかし、4~10月の増収額の累計は、有床診療所がマイナス409万1000円、無床診療所がマイナス791万8000円と、前年同期を大幅に下回った。
なお、20年12月時点での医療機関・薬局等における感染拡大防止等支援事業補助金の申請状況についても聞いたところ、全体50・3%がすでに申請済み(入金済み32・8%、未入金17・5%)だった。今後の申請予定を含めると、約9割の診療所で申請されていると考えられるとした。一方で、これらの補助金に対し「十分」と回答した診療所は全体の約1割にとどまった。また、福祉医療機構に融資の申請(予定も含む)をししたのは12・4%、金融機関へ申請したのは24・8%だった。