医療行政最前線8/3号厚生労働省 中央社会保険医療協議会総会
2022年度診療報酬改定に向けた外来およびかかりつけ医機能を議論

株式会社日本医療企画

2021-08-02

 厚生労働省の「中央社会保険医療協議会総会」は7月7日、2022年度診療報酬改定に向けて、「外来(その1)」をテーマに議論を行った。会合では、はじめに外来医療を取り巻く環境を確認した。1999年から2019年までの医療施設数の年次推移では、無床一般診療所の数は19年時点で9万5972軒、99年以降増加傾向にあり、逆に有床一般診療所は19年時点で6644軒と年々減少傾向にあった。一般診療所の総数としては近年横ばいで推移している。

 診療科別の医療施設数の年次推移では、11年、14年、17年にかけて、一般病院・診療所における診療科目別の施設数に大きな変動はなく、17年における医療施設総数に占める診療所の割合は93%だった。また、小児科を標ぼうする医療施設数の年次推移を見ると、小児科を標ぼうする医療施設の総数は年々減少している一方で、総数のうち診療所が占める割合は増加している。

 さらに、年齢別平均傷病数と外来受診率(在宅を含む)では、65歳から84歳の高齢者層で他の年齢層と比較して高いことがわかっている。13年の「社会保障制度改革国民会議報告書」では、フリーアクセスの基本を守りつつ、限りある医療資源を効率的に活用するという医療提供体制改革に即した観点からは、医療機関間の適切な役割分担を図るため、「緩やかなゲートキーパー機能」の導入は必要だと指摘。それを踏まえ、紹介患者を中心とした大病院の外来と、一般的な外来患者を担うかかりつけ医を基本とするシステムの普及・定着は必須だとしている。

 また、今年閣議決定された「良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」(改正医療法)においても、地域の実情に応じた医療提供体制の確保の観点から、外来医療の機能の明確化・連携が挙げられている。

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かかりつけ医機能の評価体系に見直しが必要

 会合ではかかりつけ医機能にかかわる診療報酬上の評価についても議論した。「社会保障制度改革国民会議報告書」が公表された翌年の14年度診療報酬改定で「地域包括診療料」などが新設、16年度改定で要件が緩和したほか、「認知症地域包括診療料」「小児かかりつけ診療料」の創設、18年度改定には、初診時の「機能強化加算」が新設されるなど、かかりつけ医機能にかかわる診療報酬上の評価が示されてきた。

 しかし、「地域包括診療料」および「地域包括診療加算」の算定・届出状況の推移を見ると、近年は届出医療機関数・算定回数ともに横ばいで推移している。「20年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」によると、地域包括診療料・加算を届け出ていない医療機関にその理由を聞いたところ、「施設基準の要件を満たすことが困難であるから」が最も多く、また最大の理由であると回答。次いで、「外来患者に算定対象となる患者がいないから・少ないから」「他院への通院状況等、把握しなければならない項目が多く、医師の負担が重いから」といった理由が挙げられていた。

 また、満たすことが困難な要件についても聞くと、「外来診療から訪問診療への移行実績が直近1年間で10人以上(在宅療養支援診療所以外の診療所は3人以上)いる」など、在宅医療に関する実績のほか、診療所の場合「常勤換算2人以上で医師が配置され、うち1人以上が常勤であること」や、「対象患者に対し院外処方を行う場合は24 時間対応をしている薬局と連携していること」などの要件が多く挙げられた。このことから構成員からは、「かかりつけ医の評価体系をゼロベースで抜本的に構築し直してはどうか」との意見も寄せられた。