厚生労働省は3月9日に「在宅医療および医療・介護連携に関するワーキンググループ」を開き、第8次医療計画に向けた在宅医療の現状や課題について議論した。
はじめに、2021年10月に行われた前回会合での意見を振り返り、課題などを整理。基盤整備に関しては、在宅医療が市区町村中心になることから、都道府県および医師会の連携のもと市区町村を支援する体制づくりの重要性や、徐々に減少するマンパワーの確保や職種間連携や施設間連携、さらに従事者の質の向上の必要性などが挙げられた。
また、医療的ケア児とその家族に対する支援についても多くの意見が寄せられた。小児在宅を担える医療機関の増やすことや、地域で暮らしながら医療を受けられるように、地域包括ケアシステムの観点から、医療機関だけではなく、薬局、自治体など、地域のさまざまな拠点による質的・量的な体制確保が望ましいといった意見が挙がった。
そのほか、参考資料として在宅医療の需要の動向も示された。
在宅患者数は多くの地域で増加し、40年以降は203の二次医療圏でピークを迎えることが見込まれる。訪問診療を行っている原因の疾患については、循環器疾患、脳血管疾患、認知症、糖尿病、骨折・筋骨格系疾患が多いといったデータが示された。
なお、会合では今年1月に埼玉県で発生した在宅医の銃撃事件についても言及された。同件が特殊なケースである可能性も挙げた一方で、構成員からは「他人ごととは思えない」といった声も多く、医療従事者の安全確保に関する検討の必要性が示された。