株式会社エムステージは7月22日、運営する医師向けサイトに登録する会員を対象に実施した「医師の働き方改革についてのアンケート」の結果を公表した。
同調査は、厚生労働省が今年6月に公表した「医師の働き方改革の施行に向けた準備状況調査」を受けて、当事者である医師自身の働き方に対する意識や働き方改革への理解について調査したものだ。回答数は1276人、うち診療所勤務医は216人、開業医は104人だった。
はじめに、労働時間による影響で「働き方を変えたい」と思ったことがある医師の割合は、57%と半数以上だった。さらに、変えたいと思った医師が取った行動を聞くと、「転職して、勤務先を変えた」(315件)が最も多く、次いで「時間管理など、自分で努力した」(211件)が多かった。しかし、「何もせず我慢した」(207件)も一定数いるほか、「上司や同僚に相談した」(73件)、「院内の制度を利用して、働き方を変えた」(40件)は少なく、勤務先などへの働きかけよりも、自己完結型の対応を選
ぶ回答が多い傾向がみられた。
なお、医師の働き方改革への理解度を調べると、2024年4月から医師の働き方改革の適用が開始することを知っていたのは、医師全体の78%。情報源としては「インターネット記事」(934件)と最多で、次いで多かった「勤務をしている医療機関」(287件)と、約3倍の差があった。
しかし、労働時間の上限規制の詳細を知る医師は全体の約4割のみであるほか、宿日直許可の詳細、さらに医師の働き方改革以降の自身の働き方に関しても、7割が把握していない実態がわかった。