6月21日の日本医師会定例記者会見では、松本吉郎会長が同月に閣議決定した「骨太の方針2023」や「規制改革実施計画」などについても見解を述べた。
①2024年度トリプル改定
「物価高騰・賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担・保険料負担への影響を踏まえ、患者・利用者が必要なサービスが受けられるよう、必要な対応を行う」とされ、原案にあった「抑制の必要性」が「影響」と修正されたほか、「患者・利用者が必要なサービスが受けられるよう」という文言が新たに追加されたと説明。これまで物価高騰と賃上げへの対応を求め、各関係団体とも協働した働きかけが実を結んだものとし、引き続き政府に働きかけていくとした。
②かかりつけ医機能
「かかりつけ医機能が発揮される制度整備の実効性を伴う着実な推進」と記されているが、5月19日に交付された「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律」を以て、一定の整理がなされたものと見解を示した。
③医師の働き方改革
「医師が不足する地域への大学病院からの医師の派遣の継続を推進する」「大学病院の教育・研究・診療機能の質の担保を含む勤務する医師の働き方改革の推進」などが本文に明記されたことを評価。▽医師の健康確保、▽地域医療の継続性、▽医療・医学の質の維持・向上──の3つの重要課題に、しっかり取り組んでいくとした。
④医薬品関係
「経済安全保障推進法の着実な実
施と取り組みのさらなる強化を行う」とされたものの、他業種に比べて予算規模も小さく、対策は十分ではないと指摘。「医薬品の安定供給には国による産業への関与が必要不可欠である」と述べ、国の強いリーダーシップに期待を寄せた。
ーNPの資格創設に関する立場を改めて強調ー
⑤ マイナンバーカードによるオンライン資格確認
「用途拡大や正確なデータ登録の取り組みを進め、24年秋に健康保険証を廃止する」との記載には、信頼性を高めることが最も重要であるとして、国や保険者、システムの運営主体である支払基金には、データの正確性の確保に全力で取り組むことを要請。そのうえで、問題等が生じた際に報告・相談する窓口の拡充や、その周知を求めた。
⑥医療DX
従来以上に安心・安全で、よりよい医療を提供することと、医療現場の負担を軽減することがとても重要だとし、同医師会としても全面的に協力していることを強調した。ただし、その前提として、マイナ保険証に本人の資格情報が正確に紐づけられていることを挙げた。
⑦介護における多床室の室料負担
多床室の室料負担などについては、老健、介護医療院の入所者は「自宅」をもっていることや、老健、介護医療院は医療法の下の医療提供施設であることから、単なる「生活の場」や「住まい」ではないとの見解を改めて述べた。
⑧少子化対策・こども政策
日本医師会の少子化・こども政策への主張に関する一部メディアの報道に触れ、「社会保障の財源を確保することは不可欠で、少子化対策・こども政策の財源を社会保障財源とは別に確保することも必要だと考えている」と強調。政府には、社会保障と少子化対策・こども政策の両方の視点を引き続き求めていくとした。
⑨ナースプラクティショナー
新たな資格創設は国民の医療安全の観点から認めることはできない見解を改めて表明。在宅医療の領域については、地域連携の強化と特定行為研修の推進、オンライン診療(DtoPwithN)等で対応していくべきとした。