どちらの病院も離職率という物に悩んでいる所は多いのでしょう。そんな中で良い人材が辞めていく病院があります。こういう病院はとかく地域からの評判が良く無いところ、ブラックな所、赤字で倒産ぎりぎりの所に多く見られます。一般的に優れた人材が退職する理由には何が有るでしょうか?
・成長が見込めない
・忙しすぎる
・評価に満足していない
・ハラスメント
・裁量が貰えない
・周囲の人たちを尊敬できない
・コミュニケーションが無い
などが多いのではないでしょうか?
この中でハラスメントというのが病院の中では多いような気がします。ブラックと呼ばれる職場で仕事のできない人種が多い職場にとって突然入職して来た優秀な人材は自分たちにとっては不都合な人材となる事があります。優秀な人材が来た事で自分達が楽をしていたのに出来なくなるような事があります。経営側からするとたまったものでは有りませんが働かない人間にとって働く人間は不都合でしかないのです。
不都合な人間を排除しようとする事があります。体の中に入って来たバイ菌のようにそれまでいた人材が優秀な人間を退職に追い込んでいきます。優秀な人間は就職先などすぐに見つかりますので退職という決断をするのにそんなに時間がかかりません。まさに悪が善を駆逐するという構図です。これまで倒産した病院にはこういった所がありました。
それでは悪い人が辞める病院はどんなところでしょうか?優秀な人材が多い病院は優秀で無い人間を許す事が出来ないようです。必要とされているスキルよりももっと質の高いものを求めてしまう性格の人が沢山集まってしまう所は普通の方々でも退職してしまいます。理想ばかり追い求め原価やコストという意識が薄いという人もいます。いわゆる完璧主義者なのでしょうか?こういう方は技術はあるものの社会にはなじみにくい人かもしれません。自己中心的で他人の気持ちを思いやる事が出来ないという方です。
もう少し細かく書きますがこういう人の気質とは
・理想が高い
・真面目
・執着心が強い
・根にもつ
・気にしすぎる
・人のミスが許せないなどの特徴があります。
しかし免許社会の病院という職場には意外とこういう人たちが多いかもしれません。そんなプロフェッショナルな職場であるからこそ医学も発展したのかもしれませんが度を超すと人が居つかなくなります。
人材確保は大事ですが上記のような病院は両極端な例です。バランスの取れた人材が多い職場は医療に限らずどこの世界でも伸びていく職場だと思います。マネージャーという立ち位置がしっかりした職場は離職率も低い事でしょう。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。