厚生労働省は9月29日開かれた社会保障審議会・医療部会で、「令和6年度診療報酬改定の基本方針」について検討した。過去の診療報酬改定の基本方針においては、改定にあたっての基本認識を提示したあと、基本的視点と具体的な方向性を示す構成がとられてきた。
そこで、厚労省は2024年度診療報酬改定もこの構成をベースとしつつ、物価高騰・賃金上昇といった近年の社会情勢・医療を取り巻く状況等を踏まえたものにしてはどうかとの考え方とともに、基本認識を提示した。さらに、これらの基本認識のもと、前回までの同部会の議論や中央社会保険医療協議会での検討を参考に、改定の基本的視点と具体的方向性を整理した。基本的視点の例と具体的方向性の例は、次のとおりだ。
■ポスト2025を見据えた地域包括ケアシステムの深化・推進や医療DXを含めた医療機能の分化・強化、連携の推進(具体的方向性の例:医療DXの推進による医療情報の有効活用、遠隔医療の推進 など)
■現下の雇用情勢を踏まえた人材確保・働き方改革等の推進(具体的方向性の例:医療従事者の人材確保や賃上げに向けた取組 など)
■安心・安全で質の高い医療の推進(具体的方向性の例:食材料費をはじめとする物価高騰を踏まえた対応、アウトカムにも着目した評価の推進 など)
■効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上(具体的方向性の例:後発性医薬品やバイオ後続品の使用促進、長期収載品等のあり方、費用対効果評価制度の活用 など)