言葉の暴力いわゆるモラハラって事でしょうか?医療機関という所は医師を頂点としたピラミッド型の階層組織です。立場や地位によって反抗出来ない相手に対し発する強い言葉が精神的な苦痛を与える事もあります。肉体的な暴力であれば誰もが暴力とわかります。例えば体にあざができた、骨折をした、血が出ているなどはとても分かりやすいです。一方、言葉の暴力は見た目では判らず精神的な苦痛の程度が判りづらいという特徴があります。
モラハラをする人物は自分がモラハラをしているという実感はありません。ただし問題のある職員に対しては注意をしなければいけません。事務長としてはこの辺りの加減が難しいかなぁと思う事もあります。そうそう最近では医者の行うモラハラというのはドクハラとも呼ばれるそうです。
上司部下という関係以外に、医師と患者という立場での言葉の暴力という事も有ります。職場と同様に医師と患者の立場であっても関係性から言うと医師が患者よりも上位のポジションであり、言葉の暴力となりやすいケースでもあります。困った事に医師側には全くその自覚が無い方もいます。もともと患者側はワラにもすがる思いで来ている人が居ますが医師の発言によって患者さんを絶望させてしまう発言などもあるようです。「あなたの病気は治らないから」と見捨てるような発言は患者を絶望に追い込みます。患者さんの心情を考慮して慎重に発言する事が必要だったりもします。
院長 自らがモラハラ、ドクハラを行っている医療機関は離職率が高いです。患者の離反も多いところです。実際にそういう医療機関からコンサルの依頼が来たことが有ります。「私の法人は従業員がすぐに辞める」「定着率が悪い」「離反患者が多い」という相談です。退職する原因は理事長ご本人に有るのに全く気付いていないようです。お給料の割に従業員への期待値だけが大きく、人を育てられない。信用しない、激高する。殆どが理事長ご自身の問題なのが傍目から見ても明らかですが、残念な事にご本人が全く気付いていない状況です。
僕への相談は「どこかに優秀な事務長さんいないですかね?」というご相談をされます。たとえ優秀な事務長さんが入ったとしても現状は打破できないでしょう。もしかすると過去にも優秀な人材が沢山居たかもしれません。優秀な人材程、早くに見切りをつけて他に転職してしまいます。人が集まる医療機関はどんどん発展していきます。少子化時代の今、スタッフを揃える事が年々困難となって来ています。働き方改革も進んで来ています。時代の流れでブラック企業は許されません。モラハラ、ドクハラを無意識に行っている理事長、院長はいつかその事に気づく日が来るのでしょうか?
一般的には総合病院など大きな病院ほどドクハラは多いと言われています。大病院のブランドが医師の態度を尊大にさせるという事だそうですが、最近は開業している医師にも多いかもしれません。一国一城の主であり自分が法律という事なのでしょう。やはり徳のある院長の所は人が集まり、医療機関は成長します。
トップの器量という事になってしまうかもしれないですね。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。