財務省は11月1日の財政制度等審議会・財政制度分科会で「社会保障」をテーマに議論を行った。そのうち、2024年度診療報酬改定における診療所に関する事項にも言及した。
総括では、診療報酬の本体や薬価など、保険償還の対象となるサービス価格に対し、国民負担を軽減する観点からできる限り効率的に提供するよう、診療報酬の合理化・適正化等を進めていく」必要性を指摘。そのうえで、診療所の経営状況等を「極めて良好」と評し、これを踏まえて、診療所の初診料・再診料を中心に報酬単価を引き下げるなどにより現場従事者の処遇改善等の課題に対応しつつ、診療報酬本体をマイナス改定にすることが適当だと主張した。
また、財務省はこの提言に関するデータとして、診療所における収益・費用・利益の状況に関する集計や、診療所における1受診当たりの医療費の推移および物価上昇率の比較などを提示した。
それによると、20年度から22年度の直近3年間の各医療法人における事業報告省等をもとにした集計では、診療所の収益は過去2年間で12%増加している一方、費用は6・5%増、経常利益率は3・3%から8・8%へと急増していること、また、利益剰余金は約2割増加しており、これは看護師等の現場従事者の+3%賃上げに必要な経費の約14年分に相当するなどと主張している。
しかし、同資料に対し日本医師会などの関連団体からは「コロナ禍の特例措置等による変動が大きい直近3年間ベースに比較すること自体が、診療所が儲かっているという印象を与えるミスリードである」といった指摘がされている。