医療行政最前線5/72024年診療報酬改定における在宅医療機関の新施設基準について

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2024-05-07





 2024年診療報酬改定において 今回こちらの内容にモヤモヤしている医療機関が多いようです。事実上の5%ルールの撤廃でしょうか?これまでは外来と在宅患者の割合が5%未満の診療所には既にこのルールが適用されてきました。今回の改定により事実上はすべての医療機関が同じ条件となったという事です。

 令和6年3月31日以前のクリニックについてはこのルールは適用されないようですがあくまでもそれは経過措置期間の話であり、いずれは総ての医療機関に対しこのルールが適用になります。また、既に開業している医療機関においても新規に分院などを適用すればこのルールが適用されるようですが、10人以上の施設が3カ月で2100回、月平均700回を超えるのは結構大変な数字でありこのルールに適用するような医療機関はそれほど多くは無いように思われます。

 また、この2100回とは訪問診療の数であって月1回を訪問診療に2回目はオンライン診療にというような工夫をする事で患者数は2倍の数を持つことができます。厚生労働省はこれまでもそうですが在宅医療の推進と言っています。ここでいう厚生労働省の推進とは薄利多売の世界をさします。安い金額で多数の患者を診られるような仕組みを作らなければ2040年まで増え続ける65歳以上人口の方への在宅医療の提供が足りなくなってしまう為、効率性を重視する政策となっています。現在、在宅医療を担う医師の数が足りない現状の中で一定のサービス量を維持するためにはこのような政策は必要なのだろうと推察します。

 また、もし仮にこの2100回の数を突破してしまう事が不安なのであれば初めから減算にならないように居宅の割合30%以上、介護度3以上の患者5割以上、年間看取り数が20件以上となるような診療所に今のうちからしておく、そういった診療所作りを意識する事が在宅医療経営の視点では大事なのでは無いでしょうか?私の居る永生会の在宅医療を行う診療所では上記の条件は総てクリアされています。もちろん外来5%以上のクリニックですから上記の条件は必要では有りませんが、いつその条件が必須になっても良いように初めから居宅の割合や介護度の割合を意識しながら集患活動を行っています。



【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。

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