医療行政最前線6/2号後継者を作れ

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2026-06-02

 2026年2月28日アメリカ、イスラエルによるイラン軍事作戦が突然に開始されました。「壮絶な怒り作戦」「ハメイニ師斬首作戦」「獅子の雄叫び作戦」などと言われているそうですが実際にハメイニ師最高指導者をはじめ多くの指導部の方が殺害されました。イスラム教徒の後継者選定のシステムははしっかりしているようですぐに次の後継者が選任されました。

 医療法人でも後継者育成の重要性は議論としてあるものの、実際にはその人材が居る所は多くは有りません。トップの後継者だけではなく次期院長候補、事務長候補などしっかりと存在している所は少ないかもしれません。ただし医療機関では医師を頂点にしてヒエラルキーは存在しています。

 2025年に廃業となった医療機関の数は823件で過去最高になりました。廃業の理由ですが物価の高騰、人件費の高騰などによる経営悪化という理由が多いものの3位の理由は医師の高齢化による廃業となっています。後継者が居ないという問題は今後もっと加速すると言われています。診療所経営者の56.7%が70歳以上という状況です。


医療機関の倒産件数、廃業件数

 なんと2020年以降3773件もの件数が廃業となっています。そして年々廃業の数は増加していますが、診療所及び病院の経営者の高齢化率は今後もっと早いスピードで上がっていきます。

 この医療機関の後継者問題ですが、遺言書と同じ原理なのでしょうが、現役の間はなかなか決めづらい状況なのかもしれません。デリケートな内容であり、利害が発生する為に話し合いは慎重になるのかもしれません。しかし企業の生き残りとしては、2の手、3の手も必要でそれなりの人物が居なければなりません。

 大企業であれば人材は豊富なのかもしれませんが医療機関内は意外に人材不足という医療機関が多いのだなと最近実感致します。理事長をはじめ、院長、看護師長、事務長、など重要ポジションの人材が総て70歳を超えていて、後継者を先送りしている医療機関を多数見受けます。もっとも最近の人たちは責任あるポジションにつきたく無いという人も増えました。経営に対して適性や意欲が伴わない人材しかいない、責任あるポジションに魅力を感じないという理由もあります。
医療の継続性というのは地域によって重要な事ですね。

それでは 今月の謎かけです。

後継者とかけまして、
交通事故にあったけど軽い怪我ですみました
とときます
そのこころは
どちらも継承(軽症)で良かったです。


【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている


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