厚生労働省は9月11日、電子処方箋推進会議を開催し、電子処方箋の普及拡大に向けた対応状況等について報告した。2024年9月1日時点ですでに電子処方箋の運用を開始しているのは3万609施設(14・6%)。その内訳は、病院153(1・9%)、医科診療所3645(4・5%)、歯科診療所150(0・3%)、薬局2万6661(44・6%)となっている。導入が進む薬局に比べて、病院や診療所では伸び悩んでいるのが実情だ。
なお、導入をためらう理由としては、▽費用負担が重い、▽周囲の医療機関・薬局が導入していない、▽複数のシステム改修の負担が大きい、▽電子署名対応に手間がかかる、▽ニーズを感じない──が挙がっている。
こうした状況を踏まえて、公的病院などでの今後の対応状況についても報告が行われた。国立病院機構、地域医療機能推進機構、労働者健康安全機構、国立高度専門医労研究センター、日本赤十字社、済生会などの厚労省所管病院で7割、国公立大学病院や公立学校共済組合、厚生連、自治体病院などの他省庁所管病院の4割が、24年度中に導入を予定しているという。
26年6月までに対応見込み病院に対して24年度内の導入が難しい理由を聞いたところ、「2年以内に電子カルテの全更改を控えている。電子処方箋を早期導入しても二重投資になり、負担が厳しい」(52・3%)、「電子カルテを未導入で、単独で電子処方箋を導入するよりも膨大な費用がかかる。標準型電子カルテと一体的導入を進めていく」(10・0%)、「院外処方箋を発行しておらず、院内処方で主に対応している」(6・8%)が上位を占めた。