日本医師会は9月18日、記者会見を行った。このなかで長島公之常任理事は、医療関係職員の賃上げに向けた原資として2024年度診療報酬改定で新設された「ベースアップ評価料」の届け出に触れ、「人材確保は医療の質と安全の確保、地域医療提供の継続のために必要だ。できるだけ多くの医療機関でベア評価料を届出・算定をして活用していただきたい」と積極的な算定を呼びかけた。
ベア評価料をめぐっては、医療機関側から「届け出様式が複雑で届け出が難しい」という意見が多く上がっていた。この点が届け出をためらう大きな理由となっており、長島常任理事は「日医として説明会の開催などに取り組むと同時に、厚生労働省に対して届け出の負担を減らす対応を相談してきた」と説明。その結果、11日付の事務連絡により届け出様式の簡素化通知につながったと解説した。
届け出をためらう背景には、「医療機関が持ち出しをしてまで賃上げをする必要があるのか」といった懸念もある。この点について長島常任理事は、持ち出しをする義務はなく、上げ幅に数値的な縛りもないことを強調、「持ち出しなどを心配せずに安心して届け出し
ていただきたい」と重ねて要請した。
「今後、ベースアップ評価料は継続するのか」という懸念も出ていることについては、介護分野の「介護職員等処遇改善加算」が長年にわたって維持されていることを例に、今後の診療報酬改定で単純に廃止されることは考えづらい」との見方を示した。そのうえで、「ベースアップ評価料が幅広く活用されることが継続の強い後押しになる」と語った。