財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会(分科会長=十倉雅和・経団連会長)が10月16日にあり、2025年度予算案の編成に向けた議論を開始した。財務省は、物価・賃金の伸びを社会保障の給付に反映した場合、ますますの保険料率の上昇につながるとして、「現役世代の負担がさらに増加(可処分所得が減少)することにも留意が必要」と説明した。給付の反映は医療・介護従事者の待遇改善などを指すものとみられる。
この日は「財政総論」のテーマで議論が進んだ。財務省は、一般的に物価上昇局面では政府支出においても物価高・資材高騰への対応を求める声が増加すると説明した。そのうえで、「さらに、社会保障分野においては、高齢化等により、給付費が雇用者報酬を上回って増加しており、保険料率が上昇している」と現状を指摘した。
財務省のデータによると、12年度から22年度にかかった医療・介護に係る保険給付費等の伸びが年2・6%だったのに対し、12年度から23年度にかかった雇用報酬の伸びは年2・1%だった。この差は、保険料の引き上げで埋めている。
現役負担の負担を抑制するためにも、財務省としては医療・介護給付費の伸びを抑制する制度改革の必要性を強調した形だ。この日の分科会では「社会保障改革を着実に進めていくべき。子ども・子育てや医療など社会保障全体について財源や若年世代の負担を考えつつ本格的な議論を進めていく必要がある」「人口減少時代であることを前提に、少子化対策と並行して社会保障やインフラ、地方政策などの制度を見直す時期にある」などの意見が出た。