医療行政最前線12/31号厚生労働省
医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会
外科の集約化が喫緊の課題 医師の働き方改善を推進し 診療科偏在の是正目指す

株式会社日本医療企画

2024-12-31

 厚生労働省は10月30日、「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大学長)を開き、診療科偏在への対策などを論議した。他の診療科に比べて人員の増加が緩やかで、時間外・休日労働の割合が高いことなどから「外科領域が喫緊の課題」として外科医療の集約化・重点化などの対応を推進することで外科医師の働き方を改善したいと提案した。

 厚労省の資料によると、内科の医師数が2008年から一昨年までの14年間で2割ほど増えているのに対し外科の医師数はほとんど増えていない。研修で一定の症例数を経験することの必要性が高いことや、外科医師の置かれた負担の大きな労働環境が背景にある。専攻領域の選択に関するアンケートで外科を選ばなかった理由の上位に「ワークライフバランスの確保が難しいから」「医師が不足しており過酷なイメージがあるから」が入っており、長時間労働が外科を敬遠する要因となっていることがわかる。救急・急性期構成員と同じように外科医療の症例や手術を集約化・重点化することで外科医の働き方の改善につなげ、同時に治療成績の質を高めたい考えだ。

 厚労省の提案に対し、検討会の構成員からは「集約化は不可避」「センター化が必要だ」とおおむね賛同する声が続いた。「腹膜炎といった待てない手術の対応体制を検討する必要がある」との意見も出た。

 議論の内容については「新たな地域医療構想等に関する検討会」に報告され、日本専門医機構や学会などとの議論も踏まえつつ、「医師偏在是正に向けた総合的な対策パッケージ」の策定に向けて改めて検討される。

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