仮病によって遅刻や早退、欠勤などを繰り返す医師がいました。その都度患者さんにご迷惑をかけ診療所の信用を損ないます。
現場の混乱は甚だしいものです。仮病というものと詐病という物があるそうです。
まずは仮病と詐病の違いについて記載いたしますが、仮病についてはみなさんご理解頂いているでしょうから詐病について説明しますが、詐病とは金銭的な利益を得るといった営利を目的とした仮病の事をいいます。また刑罰を軽くする事を目的に精神疾患を装うような事も詐病と言います。そして仮病なのですが、実はこれも立派な病気のようです。仮病の正式な名称は医学的には虚偽性障害と呼ばれるそうです。虚偽性障害の特徴ですが病人として扱って欲しい、自分に優しくして欲しい、心配して欲しいという事が根底にあるようです。いわゆる「かまってちゃん」の一種かもしれません。
周囲に構ってもらいたくて病気の症状を大袈裟に言うというのが初期の段階だそうです。そして周囲から優しくされると仮病は使わなくなりますが、周囲から通常通り特別扱いが無くなると再び仮病を使うという悪循環が繰り返されます。そして周囲から明らかに仮病だとバレてしまいますと、病院や診療所を退職して次の職場へ移るという特徴があります。はい当院でもその医師は去って行きました。
精神科の医師によりますと虚偽性障害(仮病)の原因というのは幼少期のトラウマという事が原因という方が多いようです。幼少期の病気になると家族が優しくなるという現象を脳にインプットされるようです。幼少期の家族ですから子供に対し溺愛しています。極端に優しくなるといった現象を強烈にインプットされますが大人になるにつれて周囲はそのような扱いをしてくれなくなります。
まさに心の病だそうです。
さてもう一つ仮病なのに本当に体調が悪くなる人が居るようです。こちらはミュンヒハウゼン症候群というようです。韓国の人の名前みたいな病名ですね~調べましたらミュンヒハウゼンさんって人はほら吹き男爵で有名だった方のお名前から取った病名だそうです。本当にお腹が痛くなったり、頭痛がしたり、熱が出るという症状が現れるそうです。すごいですね。まさに嘘つきは病気の始まりという事らしいです。
さてさて こちらの病気はもっとややこしくて自分の子供や家族を怪我人や病気に仕立てる事も有るようです。同情を受ける事が快感となるようです。これがエキサイトして殺人事件や保険金詐欺などを引き起こす事もあるようです。ここまで来ると営利目的にもなってしまうので仮病から詐病に名前も変わるのかもしれません。いずれにしましてもこんな方が職場にいると大変ですね。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。