さてさて どこの医療機関にも問題児はいるものです。不思議な事に問題児がいなくなってもまた新たな問題児が発生します。今まで問題で無かった人が問題児になる人もいます。事務長をしていると人に関するトラブルは永遠になくなりません。
そして問題児の存在は周囲とのトラブルや他の職員へのストレスを与えます。大抵は職員の誰かから、「ちょっとお話しがあります。お時間ください」から始まり「実は〇〇さんがこうなのです」と報告を受けるというのが常なのです。さて問題児にはわかり易い問題児とわかり難い問題児がいます。
まずはわかり易い問題児ですが
問題児① 反抗タイプ
上司に限らず周囲に対しても何かにつけて反抗、反対する人です。こういうタイプは上司にも反抗的です。病院、診療所または国の方針により決められたことに対し異論を唱えやらないという人ですが、基本的に医療機関は国の定めた規定の中で運営されており、そこから逸脱すれば法律違反や返戻などペナルティーとなります。どれだけ異論を唱えようと変わらなければなりません。結果やらなければいけない事に対し愚痴や陰口やネガティブな発言により周囲の士気を低下させます。
問題児② 既得権益タイプ
このタイプも医療機関には沢山います。もともと医療機関にお勤めの方って、保守的で改革を望まない方が多い集団です。社会保障費が増大する中で国は診療報酬や介護報酬の削減を目指しています。その為改定の度にこれまで当たり前にやっていた事ができなくなります。
これまで通りにやっていると医療機関はつぶれてしまします。ちょっと脱線しますが2024年の医療機関や介護事業社の倒産件数は過去最高です。このような状況に中では早く対策を練って変身しなければ存続の危機となってしまいます。いつまでも愚痴を言っていても変わるものでは有りません。長くその職場にいるお局様がダメ社員に変身してしまうのがこのタイプです。
社歴が長く既得権益を守りたいタイプです。もともと医療機関は超アナログな職種でした。しかし昨今医療機関にもIT化の流れが押し寄せています。令和6年の診療報酬改定では医療DXの推進として新たな診療報酬の改定により施設基準なども変更され、点数もつくようになりました。しかし既得権益型の問題児にとっては職場の効率性とか生産性、利益といった所には全く興味がありません。
問題児③ 発達障害型
これはちょっと可哀そうな所もあります。がこれも医療機関には多くアスペルガー症候群の方です。医師や看護師にもこのタイプがいます。他の職員とコミュニケーションが取れない方々です。自分の興味がある事には熱心なのですが、興味の無いことはやらないというタイプであったり、突然退職したりするタイプです。地頭が良くそこそこ出世していたりもしますが、孤独になりがちでもあったりします。
色々なタイプは居るのでしょうが大きく分類するとこんな感じでは無いでしょうか
特段こういう方々への対処方法はなさそうですが事務長としてやることは、
「じっくり話し合い納得してもらう」「きちんとルール通り例外扱いをしない」「他病院などの事例を提示する」といったものしか対応方法が無いというのも感じている所です。修行だと思って諦めるしかないのが現実です。
ではまた謎かけしておきましょうかね
今日のお題は「忍耐」です。
忍耐とかけまして 鉄骨の建物とときます
その心は・・・
辛抱強い(心棒強い)事が大事です。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。