日本医療労働組合連合会は6月5日、医療機関を対象とした2025年の「看護職員の入退職に関する実態調査」の結果を公表した。24年度の年間退職者数が採用者数を上回ったのが全体の6割近くに達したことがわかった。23年度の約5割と比べ大幅な増加で、看護職員の減少傾向が強まっている実態が明らかとなった。調査は今年4月~5月にかけて行われ、145の医療機関からの回答を得た。
25年度、4月に新規採用の予定者数を満たすことができなかった施設は46施設(40・7%)に達した。看護職員の退職者数増加や採用数低下を招いた要因として、24年末に支給された冬のボーナスの大幅な減少を指摘している。今回、冬のボーナスが大幅に削減された施設のみを抽出すると、看護職員減となった施設が18施設(64・3%)と全体より6%高かった。看護職員不足の医療提供体制へ影響として44・8%の施設が「患者サービスの低下」と回答、問題の深刻さが浮き彫りになっている。
十分な人員を確保できない医療機関が増えている背景には、物価の高騰や人件費の上昇などによる医療機関の経営状況の厳しさ、処遇の物足りなさ、過酷な労働環境がある。医労連は、こうした事態は医療現場の危機だとして、看護師の労働条件、特に賃金を含む処遇の改善が人手不足の解決には欠かせないと主張。退職を食い止め、新たに看護職員をめざす人の増加を促すためにも、採用・定着に向けた恒久的で実効性のある対策を実行すべきだと訴えている。