厚生労働省は7月4日、老人福祉法に基づく自治体への届け出をすませていない有料老人ホームが、昨年6月末時点で全国に584件あったことを明らかにした。前年比で20件減少し、全体に占める割合は3・3%。届け出ていない施設は行政の把握がおよばないうえに施設側との連携を取りづらく、虐待などがあった場合の対応・指導が遅れる恐れがある。厚労省は、届け出を促すよう改めて自治体に求めている。
調査は、都道府県や市区町村、地域包括支援センターからの報告を集約。2009年3月に入所者10人が死亡した群馬県渋川市の未届け施設火災をきっかけに始まり、今回で16回目。未届けホームを都道府県別でみると、北海道が95カ所で最も多く、愛知県70カ所、兵庫県67カ所、大阪府64カ所、神奈川県47カ所と続く。
前払い金を補償する保全措置についても調査。前払い金を徴収していた有料老人ホームが全国で2317カ所あり、うち、23件は保全措置を講じていなかった。
有料老人ホームは入居者に食事や介護などのサービスを提供し、部屋の広さや消火設備などの基準が定められている。法人福祉法に基づき届け出が必要で罰則規定もある。
調査を受け厚労省は都道府県などに対し、未届けホームの速やかな実態把握や入居している高齢者の処遇についての指導・監督、届け出制度の周知徹底について改めて要請した。保全措置を講じていない有料老人ホームに指導することも求めた。