日本医師会の松本吉郎会長は8月20日、定例の記者会見を開き、最低賃金の上昇などを踏まえつつ「診療報酬の期中改定が必要だ」と訴えた。日医は賃金引き上げが実施される秋から年末の改定を求め、国への働きかけを強めていく。
最低賃金は中央最低賃金審議会の答申を受け、厚生労働省が2025年度地域別最低賃金額改定の目安を8月4日に公表している。目安どおり各都道府県で引き上げが実施された場合、全国加重平均は1055円から63円増(6・0%増)の1118円となる。
松本会長は、最低賃金が目安どおりに各都道府県で引上げられた場合の全国加重平均は、1978年に目安制度が始まって以降最高額となることを紹介。春闘や人事院勧告など賃上げに関する指標が押しなべて高水準で上昇していることにも触れた。
半面、医療機関の経営悪化は深刻化しており、松本会長は「診療報酬は公定価格であり、医療機関は賃上げに対応できる状況にはない」と訴えた。また「最低賃金はベースアップ評価料の対象に含まれない医療機関従事者に大きな影響が出る。評価料のさらなる引き上げで対応することには無理がある」と強調し、「基本診療料を中心に診療報酬を引き上げるべき」と声を大にした。
会見に同席した城守国斗常任理事は「報道されるような最低賃金に近い状態になってくると、他産業への人材流失にさらに拍車がかかることは明白」としたうえで、「介護における人材流出はさらにひどい状況」と述べた。