帝国データバンクは2025年12月4日、24年度の全国の民間病院の経営動向を分析した全国「病院経営」動向調査の結果を公表。全体の約14%が債務超過、6割を超える病院が営業赤字となるなど収益力の低下が顕著に。営業利益率平均も2年連続のマイナスとなり、診療所と収益力で差がある。
全国の民間病院約900法人について営業損益を分析したところ、61・0%が営業赤字を計上、前年度から6・2ポイント増加。過去20年で最悪の水準となった。一方、診療所(約700法人)の赤字割合は38・4%にとどまった。
病院の債務超過の割合も13・6%と前年度から3・7ポイントの増加。高額な医療機器導入や設備投資のための借入金負担が大きい一方、収益確保が十分に進まずに債務償還能力を失いつつあるケースが増えている。病院の営業利益率平均はマイナス1・76%で、前年度のマイナス1・07%から悪化。診療所平均(2・03%)や入院設備を持たない無床診療所(2・78%)との間で大きな差があり、開業医との収益力格差が生じている
背景には、24年度診療報酬のプラス改定が小幅にとどまり、コロナ関連補助金の終了や人件費・光熱費・医療材料費の上昇が収益を圧迫していることがある。特に医師や看護師ら医療スタッフの人材確保は難しく、労働時間規制や働き方改革に対応するために人件費が増加し、コスト増を招いている。また地方では、人口減少や患者数の減少が進み、病床稼働率低下が収益悪化に直結している。