介護職の処遇を改善しようと厚生労働省は、2026年6月に介護報酬を1年前倒しして臨時に改定する方向で調整に入った。「介護職員等処遇改善加算」を拡充して賃上げの原資とするとし、処遇改善加算の対象としてケアマネジャーや訪問看護、訪問リハビリテーションを新たに加える。25年12月12日の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長・田辺国昭東京大学大学院教授)で案を示し、大筋の了承を得た。
事業者が介護保険で提供するサービスの公定価格が介護報酬。3年に1度の改定が原則で、次回は27年度の予定だった。しかし、介護職の賃金水準が他の産業と比べて大幅に低く人手不足も深刻さを増しているとして、25年11月に閣議決定された経済対策で「処遇改善に向けて26年度介護報酬改定において、必要な対応を行う」と、臨時改定する方針が明記されていた。
25年度の補正予算案には、臨時改定を待たずに介護職員の賃上げや職場環境改善を支援する目的で1920億円を盛り込んでおり、職員1人当たり最大で月1万9000円の補助になる。26年6月の臨時改定では、取得率が合わせて8割を超えた「加算Ⅰ」と「加算Ⅱ」を見直すことにしている。新たな取得要件を追加することで加算率を上乗せし、インセンティブを大きくする。
前倒しの臨時改定に合わせて厚労省は、事業者に職場環境の改善や生産性の向上をいっそう進めるよう促すことにしている。