医療法に基づき厚生労働大臣から医療事故調査・支援センターとして指定されている日本医療安全調査機構は2025年12月23日、医療事故調査制度の運用を検証する「医療安全の更なる向上を目指す検討会」の報告書を公表した。医療機関が医療事故の判断や調査を適切に行えるよう支援を強化すると同時に、再発防止の提言や普及・啓発に注力すべきと指摘している。
医療事故が発生した場合、医療機関は第三者機関であるセンターに報告したうえで、自ら原因を調査する。医療事故調査制度が開始から10年を迎えたのを機に、検討会は制度のあり方を改めて考えようと同機構が設置した。
報告書によると、医療事故の報告件数では都道府県や病院によってばらつきがある。事故かどうかの判断の難しさも影響している可能性があるとして、研修や動画教材の公開で事故の情報を共有すべきと提言。また、医療機関による自主調査が制度の核心だとして、現場研修では初期対応やヒアリング、遺族への説明方法をより実践的な内容にして充実を図るよう求めた。
院内調査報告書のうち専門家が分析したのは全体の1割にすぎないうえ、提言の公表後も同様の事故が繰り返されることは深刻な問題だとしている。平均826日かかっている調査の期間短縮や国民への制度の周知徹底も提案。同時に、死因究明につなげる病理解剖が減少傾向にあるとも指摘し、解剖の重要性を医療従事者に加え、国民にも広く知ってもらうことも求めた。