東京都は新年度、物価高騰などで厳しさが増す医療機関に対し、地域医療確保緊急支援事業として総額300億円を超える財政支援を行う方針を決め、新年度予算案に提案した。都内に約600あるすべての民間病院に対し、入院患者1人あたり1日580円を給付。年間総額は約160億円を見込んでいる。
都独自の財政支援は東京都病院協会(猪口正孝会長)が要望してきたもので、医療提供体制の安定確保を図る狙いがある。コロナ禍後の病院経営は物価高で光熱費や食材費がかさみ、人手不足で職員の人件費が上昇。一方、コロナの収束後も院内感染への恐れを背景に受診控えが続いており、収益の減少につながっている。
東京都は、最低賃金が全国で最も高く、人件費や物価の上昇による経営への影響がより大きい。東京都病院協会が2024年1月から2月にかけて実施した調査では、回答した129病院(回答率20・3%)の赤字割合は、23年度上半期が最も高く49・2%にのぼり、一般病院では51・6%と過半数となった。病床別で見ても、あらゆる規模の病院で赤字割合が増しており、300床以上400床未満では61・5%に。
都内では民間病院が9割以上を占めており、医療体制の安定保持には民間病院への財政支援が重要と、都は判断した。
東京都病院協会は「支援実施は大変喜ばしい。単年度とならないよう組織率を向上させ、協会の発言力に力をもたせなければならない」とコメントしている。