独立行政法人福祉医療機構(松縄正理事長)が2026年2月に公表した「2024年度特別養護老人ホームの経営状況について」によると、特養の経営は厳しさを増しており、従来型で44・6%、ユニット型で31・1%が赤字となった。サービス活動費用の増加が主因で、収益の伸びを費用が上回る構造が続いている。
収益面では利用者単価が上昇したものの、費用は直近5年で17〜20%増と大幅に拡大。特に光熱費率や給食費率が上昇している。また、待機登録者数は減少しており、従来型、ユニット型ともに約6人減るなど、需要構造の変化も進行している。
一方、同機構が26年3月に公表した「2024年度医療法人の経営状況について」でも厳しい経営状況が明らかに。24年度は医療法人の事業利益率がマイナス1・2%となり、赤字法人割合は46・6%と約半数に拡大。人件費や医療材料費の増加に加え、新型コロナウイルス関連補助金の終了が収益を押し下げ、費用増が経営悪化の主因となった。
大規模法人ほど経営悪化が顕著で、事業収益50億円以上の区分では赤字割合が51・4%と半数に達した。医療材料費の高騰など物価上昇の影響を強く受けたほか、コロナ補助金の縮小・終了が影響したと分析している。
また、特養、医療法人ともに人材面で課題がある。医療法人ではコロナ禍以降、採用超過率が低水準で推移し、職員の定着が課題となっている。特養の赤字施設は利用率および利用者単価が低く、人件費率・経費率が高い。