株式会社東京商工リサーチは5月4日、2025年度の医療・福祉事業の倒産件数についてのレポート「TSRデータインサイト」を発表した。
同レポートによると、25年度の倒産件数は478件となり、1988年度以降で過去最多を更新。前年度を上回るのは4年連続で、金融危機やリーマン・ショック時を超える水準となっている。業種別でみてみると、「老人福祉・介護事業」が182件で最多。次いで「療術業」108件、「障害者福祉事業」54件、「児童福祉事業」44件、「一般診療所」32件、「歯科診療所」31件と続いた。
福祉事業や介護事業を中心に倒産増加が続いている状況が浮き彫りとなった。倒産原因別では「売上不振(販売不振)」が340件となり、全体の71・1%を占めた。同社は、人手不足とコスト高の広がりに加え、利用者減少が続いた小規模の社会福祉・介護事業で「息切れ」が目立っていると分析。従業員数別では「5人未満」が345件で72・1%を占め、小・零細規模事業者の倒産が大半を占めていることがわかった。
コロナ禍では資金繰り支援策によって倒産が一時的に抑えられてはいたものの、支援縮小後は倒産増加が続き、23年度は350件、24年度436件、25年度478件と、3年連続で過去最多を更新した。
こうした状況を踏まえ同社では、業務の効率化や現場負担の軽減に向けた具体的支援策の必要性を指摘する。