在宅医療最前線10/24号結局最後は無視

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2018-10-24

いつも医師、看護師の世界の人間関係の終わりは、“無視”です。
単に好き・嫌いレベルで、個人間での無視は仕方ないかと思います。
ただ、業務に差し支える無視は見逃せません。

院長から「○○さんが孤立しているかもしれない」「一人でいつもお昼にお弁当を食べています。」
など報告がきます。
このレベルになってしまうと、修復は難しいです。

大抵1か月以内に辞表が出てきます。
退職前にはその理由を聞きます。
皆さん、中々正直には話してくれません。
大抵の人は「家庭の事情」という理由を言います。
しかし、こちらとしては本当の理由が知りたいのです。

退職する理由を知っておかないと、何度も何度も同じ事が起こります。
周りに聞こえないように、または外の喫茶店などで話をします。
職場の中では退職理由は言いにくいようです。

大人の世界ですから、子供のように殴ったとかトイレに閉じ込めたとか、そんな解りやすいイジメではありません。

始まりもいつも“無視”です。

職場の中では男性同士、女性同士でも無視はあります。
はじめは学生と同じですね。
グループLINEなどに入れない。
グループLINEで特定の人の悪口が始まる。
本人の事だけでなく家族の悪口まで言う。
業務の連絡を伝えない。
ミスを誘発させる。
ミスをさせて上司に告げ口をする。
職場みんなで無視をする。

と、こんな流れです。

90%の人は、この状態に耐えられず退職していきます。

5%の人は無視される状態を全く気にしない人がいます。
どこ吹く風で、一人が大好きな人です。
子どもの頃からこういう状態に慣れているのか、淡々と自分の業務だけをこなして、定時に帰ります。

残り5%の人はもう少しだけ強い人達です。
数名の仲間がいます。孤立ではありません。
喧嘩の対称軸になります。
数名の仲間がいる事で、心のバランスをとります。

しかし、この仲間パターンが退職する時には、3~5名くらいで同時に退職届を持ってきます。
いわゆる集団脱走です。
集団脱走の時は、この時とばかりイジメの首謀者の事を洗いざらい話して辞めていきます。
しばらくすると、この集団脱走の方たち、何故か全員が同じ病院に就職していたりします。

「世界の日本人ジョーク集」という本に、こんな事が書いてありました。
ある豪華客船が航海の途中で沈み始めました。
船長はそれぞれの外国人に海に飛び込むように指示をしました。
アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄になれますよ」
イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士です」
ドイツ人には「飛び込むのがこの船のルールになっています」
イタリア人には「飛び込むと女性にモテますよ」
フランス人には「飛び込まないで下さい」
日本人には「みんな飛び込んでいますよ」

というように、日本人は集団行動にいかに同調してしまうかという事になります。
その集団行動が“無視”という形になることが、医療機関の中ではよく起こります。


中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。

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