「在宅療養支援病院は患家の求めに応じて、24時間往診が可能な体制を確保し、往診担当医の氏名、担当日等を文書により患家に提供していること。」
という要件があります。
1人開業の診療所では、たった1名の赤ひげ先生が頑張るという仕組みです。
病院でこれから在宅医療をやるのであれば、病院一丸となって在宅医師を支えるというトップの強い考えがなければ、在宅の医師はやめてしまいます。
個人で開業している医師は、自分で動いた分は全て自分の収入になりますが、雇われている医師がそこまで働いて頂ける訳がないのです。
ついつい診療所の先生と比較して、あの先生はダメだ、と烙印を押してしまいがちです。
病院は病院らしい夜間体制をつくるべきです。
なんと言っても24時間入院させる事が可能なのですから、いざとなれば診療所より遥かにすぐれた在宅ができるはずなのです。
永生会 南多摩病院では、オンコールはERの看護師が担っています。
5人の当直医師のうち1名は在宅の担当医師がいます。
病院の在宅医療がうまく機能するか否かは、病院側の仕組み作りが出来るか出来ないかにかかっています。
一般的には、1人の医師が24時間携帯電話によってオンコール体制を作っている所が大多数となっています。
1人の医師で全てのオンコール対応では、医師の負担が大きく疲弊してしまいます。
セミナーなどで
「オンコールのファーストコールは医師でなければダメでしょうか?」
という質問をよく頂戴します。
答えは
医師でなくとも大丈夫です。
日中でも、在宅医療を行っている医師が往診中の場合、病院に居る事務員が電話を受けて、医師から折り返しご連絡しますというケースは普通にあります。
日中の診療時間内でも、医師が出られないケースがあるのに、夜間は医師でなければならないという事にはなりません。
まず大切なのは、24時間365日 絶対に連絡を取れる体制を作るという事です。
在宅医療を行う上で24時間365日の拘束は、医師を疲弊させてしまいます。
病院が在宅医療を行うのであれば、組織化をフルに活用してオンコールを持たない日を作る事が大切なのです。
オンコールを持たない日を作ることが出来れば、常勤医師の希望者も増えます。
病院ならではの夜間オンコールや夜間往診体制を作ることが、病院在宅医療の最大の武器になるのです。
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。