「往診の距離」
一般の方や在宅医療を行っていない医療機関の方は知らないと思いますが、往診には距離の制限があります。
半径16 kmです。
半径16 km=直径32 kmですね。
意外と広いのです。
東京都内でしたら東京の真ん中にある診療所でしたら、ほぼ23区をカバーすることが出来ます。
しかし、日中の渋滞などを考えれば、実際は半径5 kmくらいが妥当という事になります。
地方でしたら半径16kmではとても賄えないかもしれません。
近年、この距離に関する監査というものが厳しくなってきています。
「交通費の徴収って」
これもあまり知られていないのですが、往診にかかる交通費というものは徴収して良いという事になっています。
ドクターが往診をするにあたり、電車、バス、タクシーなどで訪問した場合は、それにかかる実費相当を患者さんに負担してもらえます。自家用車での往診も患者さんから徴収することができます。
しかし、自転車やスクーターで往診した場合は、交通費を徴収してはならないという規定があります。
面白い規定ですよね。自転車やスクーターの方が雨風に弱くて先生の体力も使い大変なのに、交通費が取れないのです。確かに患者さんから見れば、自転車であればガソリン代もかからないから無料ということですね。
この規定を作った厚生労働省のお役人さんは患者さん目線ですね~。
診療所によっては交通費一律2,000円と決めている所があるようですが、それは取りすぎなんじゃないかな~。
「キャンセル料ってあるの?」
往診を求められて訪問したが、既に他の医療機関に受診していて診療をしなかった往診料は全額患者負担とし、保険は使わないものとする。
こんな文章がありました。
なんと、キャンセル料を徴収して良いという事になっています。
実際にキャンセル料を徴収している所はあるのでしょうか?聞いた事はありません。
医療機関の方も患者さんも、このルールは知らないと思います。
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。