在宅医療最前線9/18号これからの在宅医療は薬局と訪問看護が主役に

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2019-09-18

社会保障費が高騰する中、医療費を抑える事が国の課題となっています。

現在、在宅医療の夜間の対応は医師によって行われています。夜間の医師による往診料は高く、医療費の高騰を招きます。
医師の代わりに薬剤師や看護師が対応できれば、医療コストは下がります。実際に夜間、患者さんからの電話でお薬が届けば医師の往診が要らないケースが沢山有ります。

2016年4月からは全ての薬局が24時間の対応をしなければならなくなりました。
実際には、2014年改定でも24時間の対応は一部の薬局で義務化されました。しかし実際には夜間に薬局に処方箋を届ける手段がありません。

そこで2016年の4月に電子処方箋が解禁となりました。まだ実際には電子処方箋が対応されているシステムは有りません。
近い将来、タブレット端末から処方箋が送られて、医師は訪問せずにお薬が届くようになるでしょう。

同様に、訪問看護ステーションも電子情報提供書というものが解禁となりました。今後は、在宅医療の夜の主役は医師から薬剤師や看護師へと変わって行きます。
ただしコンピューター化が進んで行くほど、アナログが大切になります。これまで見えていた物が見えなくなってきます。
顔の見えない連携は怖いものです。

これまで以上に、医師、看護師、薬剤師間の連携を密にしなければなりません。
翌日、どうなったかなどの報連相が大切です。きっとレポートの作成など、仕事の量は増える可能性があります。
電子化を進める上で一番大切なことは、業務の効率化ができて、仕事量が減る事です。医療の世界では、電子化を進め業務の効率化を行ったはずなのに、結果残業や、事務作業が増えたという事が起こります。
医師が「これなら自分で往診に行った方がましだ」なんて事にならなければ良いなと思っています。

大切な事は、電子処方箋や電子情報提供書が出来るに至ったヒストリーと理由です。
本質が変わらない事が大切です。

本来の目的は
①社会保障のコストを下げる。
②業務を効率化する。
③労務負荷を軽減する。

という事です。
システムを導入する事で、社会保障費が上がり、業務効率が下がり、仕事が増えた
という事が起こらないようなシステムが開発をされること。
運用の基準などにより書類の数が増えないこと。

切に望みます。


【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。

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