在宅医療最前線10/30号クレームをチャンスにするかピンチにするか

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2019-10-30

老人ホーム等に往診をしている医療機関は最近増えました。
老人ホームから医療機関へのクレームは沢山あります。

老人ホームの利用者さんが老人ホームのスタッフに医療機関や薬局などへのクレームを言います。老人ホームのスタッフから診療所へ伝言ゲームとなってクレームの電話が来ます。伝言ゲームと書いたのは、利用者さんがちょっとした愚痴や不満、希望などを普通に話しているつもりでも、老人ホームのスタッフに話した事で10倍くらいになって伝わってきます。
老人ホームのスタッフは責任回避からすぐに医療機関に電話をします。通常の自宅で診ている患者さんや家族でしたら電話をして来ないような些細な事も連絡が来ます。

これが迷惑という事ではありません。むしろ些細な事でも連絡をいただいた方が、風通しが良くなります。このクレームをどう対処するかが医療機関の腕の見せ所であり、地域からの信頼を勝ち得る事になります。また、小さな不満は溜めておくと、いずれ大きなマグマに変わり大爆発を起こす事があります。

医療機関の医師の中には、電話をくれたスタッフに対して逆切れしてしまう人がいます。
在宅医療をしている医療機関は年々増加していますが、逆切れタイプの医師は案外多いかもしれないです。

 「何でこんな事で電話をしてくるんだ」「今、何時だと思っているんだ」

こんな事を言われてしまえば次回からは電話はしてきません。その経験がトラウマになります。
上記の発言よりもっとひどいのが、何も言わずに黙って電話を切ってしまう医師もいるそうです。これでは連携をしようとはならないでしょうし、連携医療機関をいつか契約解除してやろうと思うのは当然です。

些細な事で連絡をくれるスタッフに丁寧に対応する医療機関は人気があります。
老人ホームでは1つの医療機関だけと契約すると、何かの時にリスクがあります。そのため、最近では2つ以上の医療機関と連携の契約をしている施設が増えて来ました。
2つ以上の医療機関と契約している施設のスタッフは、医療機関の対応を比較する事が出来ます。片方は横柄な態度できちんと対応してくれない。もう一方は丁寧に対応してくれるとなれば、施設のスタッフがどちらの医療機関を選ぶかは明白です。


【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。

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