***訪問医師、看護師の登竜門***
訪問看護を始めたばかりの新人は入職して少ししますと、お腹をこわす看護師がいます。
医師や看護師が訪問すると、お年寄りの方は何かを出したくなります。「わざわざ足を運んで来て下さった」というおもてなしの気持ちなのでしょう。
皆さま、お茶、お茶菓子、その他の食べ物・・・各自宅で出てきます。
お年寄り:「看護師さん、このパン食べてって」
看護師:「(心の中で・・・)この菓子パンの袋、いつから開いてるのだろう??」
毎日のように食べさせられてお腹をこわしたり、食べ過ぎて太ってしまう看護師がいます。
だんだんとお年寄りからの「これ食べなさい攻撃」をかわす方法をマスターしていきます。
せっかく出してくれた物を断るのって、なんか悪い気がしてしまいますね。
***地域のトイレポイントが重要***
訪問診療をしている医師や看護師は、地域のトイレポイントをチェックしています。
コンビニ、公園、パチンコ屋、ホテルなど・・・
お年寄りの家では必ずお茶やコーヒーが出ます。午前中だけで5軒以上です。おなかがタプタプになりますし、トイレが近くなります。夏はまだしも、冬の寒い時期はすぐトイレに行きたくなります。でも、患者さんのお家ではトイレお借りするのが申し訳ないのですね。
訪問診療の合間、合間のトイレポイントが大切になります。
コーヒーですと1杯ですが、お茶は急須の中のお茶がなくなるまで何回もお代わりが来てしまいますね。コーヒーは“時間になったら帰ってください”。お茶は“長くいてほしい”というサインでもあるようです。
***天丼大盛り***
毎週必ず天丼大盛りが出てくるお家がありました。こちらの患者さんのお住まいは、ご自宅兼店舗で2階がご自宅、1階は天ぷら屋さんです。必ず天丼が大盛り、てんこ盛りです。こちらのお家には毎週木曜日、11時30分に到着するようにしました。そして、このお家に訪問していたドクターはみるみる大きく育っていきました・・・。
話は変わりますが、普通、病院などで勤務している医師はずっと室内にいます。外に出る事はありません。
しかし在宅医療の医師は訪問診療や往診ですから、景色を見たり、お昼の美味しいお店を探すのが楽しみの1つになります。

【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。