在宅医療最前線4/21号医師のモチベーションをあげるコミュニケーション

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2020-04-21

 我々がどんなに正しい事を主張しても、その話し方が不快なものであれば、相手はその気にはなりません。医師にクリニックの有り方を理解していただき、その通りに働いてもらいたいのであれば、こちら側にも魅力を持つ事が大切です。
 お互いにそうでしょうが、ただ仕事が出来るだけでは誰にも評価はされません。我々が相手を評価するように、相手も我々を評価しています。クリニックのチーム力を上げる為には、周りを気遣い、スタッフのやる気を引き出す事が肝心です。
 朝の挨拶がないだけで、人は不快な気分になります。まず会話としてのテクニックかもしれませんが、聞いていて明るくなるような話し方が大切です。やたらと不幸な話ばかりしたがる人もいますが、怒ってばかりいたり愚痴ばかりでは、人はついて来ません。

 例えば、老人ホームからクレームがあった時に、頭ごなしに相手の話を聞かずに怒っていては、先生はやる気がなくなってしまいます。なんとなくそこの老人ホームへはもう行きたくないという気分になるはずです。
 まずは、「○○施設が先生の事、褒めていましたよ」、「今後も絶対に先生を変えてほしくないと言っています」と、ここから話を始めると、先生はそこの老人ホームへの好感度も上がり一生懸命働きます。

 我々の目的は、その先生と施設スタッフを仲違いさせる事ではなく、お互いに理解しあえる土壌を作る事です。その上で「こうした方がもっといいよ」と理事長からアドバイスしてもらう事で、格段に先生の評価は上がります。自分が嫌っていれば、相手にはそれが伝染して、こちらも相手に嫌われてしまいます。

 先ほど頭ごなしに怒っては不快になるだけと書きましたが、この先生にもこのテクニックを身に付けてもらいたいのです。医療行為について先生が言っている事が正しいのですが、その言い方で相手を傷つけたり、不快にさせたりしまいます。
 ここで、院長と一緒になって、その先生へのアドバイスをします。相手を否定するのでなく受け入れるようにして説明してもらいます。また営業マンへのノウハウ本にもよく書かれている事ですが、相手が同意できるような話し方をしてもらいます。

 スタッフのモチベーションを上げる事が管理者の仕事なのかもしれません。



【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。

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