ここ東京での新型コロナウイルスの感染者は若干減少していましたが、また増えてきました。GoToトラベルキャンペーンに東京も仲間入りしどうなるのか、予断を許さない状況が続いています。
新型コロナウイルス感染者による医療機関の切迫状況は、体制構築が進んだこともあり、多少緩和していると感じます。とはいえ、相変わらず熱が出ている方の対応と、終末期の入院加療が今生の別れとなるリスクをどうご本人・家族とコミュニケーションするかといった問題は答えが出ず、一例一例対応しているのが現状です。
加えて最近、ストレスが高まっていると感じるのは、介護施設入居者のご家族です。当院でも患者さんの入院加療の必要性をご家族に連絡したところ、「私たちは半年会えていないので決断できない。こうなる前になんとかできなかったのか」と詰め寄られたことがありました。診療で定期的に通っている私たちにとっては通常の経過であっても、家族には唐突な宣告に聞こえてしまったようです。会えていれば父親が年を重ねてだんだん弱っていく姿を見て納得できたのかもしれません。ご家族への状況連絡は以前に増してこまめにするよう院内でも確認したところです。ご家族自身にもコロナ禍で生活が変化し、ストレスが高まっているといったこともあるようです。施設スタッフも感染対策で業務量が増えていることに加えて私たち以上に家族からのクレームをまともに受け、疲弊しています。
家族も施設のスタッフも私たちも患者を支えるチームであり、決して対立構造になるべきではありません。こういうときこそ、改めて介護者や他の職種の立場を理解し、協働の意味を考え直すタイミングかもしれません。

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。
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