在宅医療最前線4/22号【在宅たかせ塾】入居施設の選び方

髙瀬 義昌(医療法人社団至髙会 理事長)

2021-04-22

 とうとう第4波の足音が聞こえてきましたね。大阪では緊急事態宣言要請に向けて動き出したとの報道がありました。ゴールデンウイーク明け頃には東京でも同様の状況になるだろうと危惧しています。

 今回は入居施設についてお話したいと思います。在宅で生活をしていても自宅での療養継続がどうしても難しくなることがあります。理由としては、本人の身体機能の低下、精神症状の悪化、家族の介護力の低下、それらのミスマッチ、自宅の構造上の問題などさまざまありますが、在宅医として施設入居を考えるときのその地域における選択肢をある程度提示できるとよいですね。

 患者さん自身の身体機能によって選択すべき介護施設の種類が異なることは言うまでもありませんが、もう一つ大切な要素はその費用です。大田区(東京都)の場合、介護付き有料老人ホームは月額で少なくとも25万円くらいはかかるでしょうか。入居金が数百万円~数千万円かかるところもあります。

 値段の違いは立地やお部屋の広さ、設備、人員配置などがかかわってきます。その他、グループホームやサービス付き高齢者住宅、都市型経費老人ホームなどもありますが、大田区では月額10万円~20万円で要介護度3以上の方が安心して過ごせる場所がかなり限られているのが実情です。特養は待機者が多くてなかなかすぐには入れませんね。必ずしも高ければよい(入居者が幸せ)わけではありませんが、出せる費用によって選択肢が変わってきてしまうのは紛れもない事実です。

 患者さんの想定余命にもよりますが、可能であれば年金などのご本人の収入の範囲内に入居できることが望ましいですね。とはいえ厚生年金の方でも80代の方の月額平均受給額は16万円程度と言われているので上記の金額を捻出するのは難しいことが多いのが実情です。お金の話はなかなかしにくいですが、こういった意思決定をスムーズに進めるためにも気軽にお話できる信頼関係がキーになりますね。



【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。

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