在宅医療最前線7/27号面接ではほとんど解らない

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2021-07-27

 面接は最初の1分の直観が大事です。なんとなく人間性を肌で感じるのは最初の1分です。これまで数々の医師、看護師、事務員、その他の職種を面接してきました。色々な質問はしてみるものの実際のスキルや技術などは勤めなければ何も解らないのです。

 初めの1分でビビビと来た人は就職して頂いてからも予想通りちゃんと働いてくれます。最初の1分で直観した人の面接時間は実はとても短いです。逆に最初の1分で、「この人ダメだ」と思った人の面接時間は短いです。ダメだと思った人にも、その後一通り儀礼的に規定の質問はします。おそらく5分以内には腹の中では不採用を決めています。

 ところが良い方にも、悪い方にもビビビと来ない人がいます。なんとなくモヤモヤしたり、どこか不安があったり、変な違和感があったり合格でも不合格でもない人、こういう人達は面接者泣かせです。

 医師、看護師などは人材不足で面接案件が少ないのです。現場からは「早く補充してください」と、プレッシャーは来ます。面接している事を知った現場のスタッフは人材が補充されると期待がMAXです。そのような状況下で合格点ではないのに採用してしまう事があります。本当はガマンしてこういうケースは不採用にすべきなのかもしれませんが、どうしても採用せざるを得ない状況という時があるのです。しかし迷って採用した時は必ず後でしっぺ返しが来るのです。

こんな医師や看護師はダメでしょうってケースです。恐らく誰かの顔が浮かんで来るかもしれないですよ。
・時間を守らない
・約束を守らない
・医療機器や医療材料をちゃんと片づけない
・書類をすぐなくす
・ミスをすると人のせいにする、もしくは隠す
・感情的にどなったり、怒ったりする
・仕事のスピードが異常に遅い
・清潔感がない むしろ不潔である
・あやまらない
・ウソをつく、デマをながす
・人の話を聞かない。

どうですか?あなたの職場に思い当たる人は居ますか?

 医療機関に限らず会社組織の中では不適合でしょう。人の命を預かる職場には最も向かない人種だと思います。患者さんの立場からしたらこんな人には診てもらいたくないです。なかなか面接で見抜く事ができないのです。むしろ面接に関してだけ言うと天才的に自分の欠点を見せないプロが存在しています。

 面接ということで1つ余談ですが、面接は問い合わせの電話からが面接です。医師や看護師から直接、面接希望の電話がかかってくる事があります。電話口に初めに出るのは事務員さんです。この事務員さんがかかって来た相手の第1印象これが、なかなか制度の高い判断をしてくれます。

 電話での応対の感じが「良かった、悪かった」この事務員さんの最初のインスピレーションがとても大事です。「今の電話の先生、すごく感じ悪かったです」と言うのです。事務長の僕や理事長の前での面接では感じが良いのです。こういう人は自分より目下のだと思うと強くなります。弱い人間にはより強く、上司にはヘコヘコして裏表の強い人間だったりします。面接依頼の電話を初めに受けた事務員さんの第1印象が僕の中での判断材料としてはとても大きい事なのです。こういう医師や看護師を採用しますと、後で患者さんからクレームの電話が来ることになります。

※番外編
 最近は看護師の募集にネット広告を使うようになりました。ネット募集を見て面接に来る人に看護師免許を取得していない人が来る事があります。看護師を募集しているのに看護師資格が無いという不思議な事が起こります。不景気な時は本当こういうケース実は意外と沢山あります。

 もちろん募集広告には要看護師免許と記載されています。しかしこんな方が必ず数名応募があるので「失礼ですが看護師免許をお持ちですか?」と聞くようになりました。本物の看護師さんからすれば「えっ・・何でそんなこと聞くの?」って心の中で思うそうです。

 さらに驚くのは「看護師免許あります」と言って面接に来たのに、こちらが看護師免許を見せてくださいって提示を求めますと「就職が決まりましたら、免許取りに行きますから」と こんな呆れたことを言う人物までいました。



【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。

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