在宅医療最前線8/4号同じ土俵に乗らない

中村 哲生(医療法人永生会 特別顧問)

2021-08-04

 医師や看護師に医療の専門的な話をしても勝てる訳がありません。専門的な話を知っているかの如く話せばただの知ったかぶりになります。出来るだけこちらの土俵で話します。こちらの土俵とは医療制度の話や医療経営の話です。元々、医師達は勉強好きな方々です。自分の知らない話を興味深く聞いてくれます。飲み会の時などこれから医療の世界がどうなって行くのか興味津々です。

 医師たちと飲み会で日ごろの不満、愚痴の話はタブーです。火に油を注いでしまいます。未来の話しが良いですね。残念なことに未来の話でもマイナスの話になる事が多いのです。マイナスと言っても厚生労働省や日本の政治についての不満の話です。とても壮大な愚痴です。

 こういう話は医療機関への不満と違い業務に差し支える事はありません。皆の不満のはけ口が厚生労働省や国に向いていただくことは実は経営者の取って有利なのです。なぜならバーチャルな世界で共通な話題を作る事ができるからです。国や制度について不満をいう事で仮想の共通の敵を作る事で何故か一体感が生まれます。もしかしたら、本来はクリニックへの不満だったものが、「そうかそれは国の問題なのだ」「でわ、仕方がないか」と思って頂き、溜まったマグマだけを吐き出す事ができます。厚生労働省さん、「ごめんなさい」

 また、制度に不安を感じる事でどこへ行っても同じと思って頂けます。隣の芝生は青く見えるようで、どうも他院の方が良いように思えるようです。「相手をモンスター化させない」という事が同じ土俵に乗らないという事になります。職場の従業員であれ、何かの拍子にモンスターと化す事があります。

 従業員同士、深夜に電話で何時間も愚痴を言う人がいます。初めは「聞いてくれてありがとう」なのかもしれませんが毎夜、毎夜そんな電話を聞いているとある時、モンスターに変わります。そしてモンスターに変わると、そのモンスターからの話を聞いていたお人好しの人にも伝染してしまいます。怒りは伝染するのです。そしていつの日か2人一緒に退職して行きます。

 1つ言っておきますが、いくら同じ土俵に乗らないからと言って露骨な話題変更は嫌われますのでご注意下さい。上手に自分でその場の空気を支配して下さいね。「空気を支配する」そして同時に「空気も読んで下さい。露骨に話題を変える人は時に「KY」と言われてしまいます。



【執筆者のご紹介】
中村 哲生(なかむら てつお)
1965年生まれ
医療法人永生会 特別顧問
多くの医療機関の顧問を歴任
開業に関するコンサルは70ヶ所以上
在宅医療に関するDVD
著書「コップの中の医療村」
2017年APECに参加
年間100本ほどの講演を行っている。

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