とうとうこの状況となってしまいました。デルタ株の感染爆発、制御不能です。2週間ほど前までは少なかった高齢者の感染者も増えてきました。一般社団法人在宅ケアアライアンスが新型コロナウイルス感染症の自宅療養者に対する医療提供プロトコールを発表しています。
軽症者はもちろんのこと、中等症でも入院がなかなか困難な状況下では在宅で加療をするしか方法はありません。しかし、このプロトコールにもある在宅酸素ですが、東京都が500台確保したという「酸素濃縮装置」もあっというまに底をつくという状況のようです。何も手がないとは恐ろしい事態です。
新型コロナウイルス感染症の自宅療養者に対する医療提供プロトコール(第 3 版)(2021.7.15)
引用元:一般社団法人日本在宅ケアアライアンス
https://www.jhhca.jp/covid19/210518protocol/
このような形で在宅医療がクローズアップされるとは思ってもみませんでしたが、地域医療全体の中でだれが何を担うのか、その中で在宅医の位置づけを明確化しないと、バランスを失うのではというのが私の危機感です。通常診療の継続とコロナ対応と、容易に両立できるものではありません。すべての機関が限界を迎えている中で目の前の患者対応に追われ、マネジメントの視点を忘れることだけは避けなければならないと自戒も込めて思います。
盟友、黒木春郎Dr.はオンライン診療が担う役割についても指摘しています。重症化させないためのオンライン診療での早期治療、必要に応じて訪問診療、尾崎治夫東京都医師会長のいわれる野戦病院構想をハイブリッドにかつシームレスに組み合わせる必要があるのだと思います。先がまったく見えない中、自身の健康に留意しつつ進んでいく覚悟です。

【執筆者のご紹介】
髙瀬 義昌(たかせ よしまさ)
信州大学医学部卒業。東京医科大学大学院修了。
麻酔科、小児科を経て、包括的医療・日本風の家庭医学・家族療法を模索し、2004年東京都大田区に在宅を中心とした「たかせクリニック」を開業する。
現在、在宅医療における認知症のスペシャリストとして厚生労働省推奨事業や東京都・大田区の地域包括ケア、介護関連事業の委員も数多く務め、在宅医療の発展に日々邁進している。